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「自分のストーリーを語れるのは自分だけだ」| LAの新星シンガーBlxstが語るソウル・ミュージック

October 19, 2020

BlxstはLAが誇るR&B/ソウル・ミュージックの新たなスターだ。ラッパーとして、シンガーとして、プロデューサーとして、キャリアの中で多才な才能を発揮し続けるアーティストは熱い注目の視線を浴びている。過去にKendrick Lamar、YG、Mozzy、G Perico、Eric Bellinger、そしてコラボレーション・テープを共にリリースしたサウス・セントラルネイティブのラッパーBino Rideauxなど著名なラッパーたちのプロデュースを務めてきた彼だが、ついに今年9月に待望のソロデビューEP『No Love Lost』をリリースした。8曲で構成された最新作は全てセルフ・プロデュースかつノーフューチャー。「生々しい感情」こそが自身の作品の原点であると語る彼の新作はタイトル通り、彼の考える愛情やロイヤリティのあり方が綴られている。

母親から音楽の影響を受け、「LAの音楽にソウルを取り戻すこと」がアーティストとしてのゴールだと語る彼は最新作にどんな想いを込め、どんな風に作品にアプローチしているのだろうか。Dj Boothによるインタビューを抜粋し、紹介していこうと思う。

Interviewer : あなたは過去のインタビューで「LA の音楽にソウルを取り戻すこと」がアーティストとしての目標だと語っていたね。音楽における「ソウル」をどう見てる?

Blxst : ソウルといって思い浮かぶのは、生々しい感情。そしてその感情はリアルな場所・地域から生まれるものだと思ってる。自分に100%正直になって、その想いを語ることこそが、ソウルを生むと思う。

「生々しい感情」というものは『No Love Lost』を制作をしていた時のマインドとも関係があるのかい?それとも、そう思ったのは、自分自身のストーリーを語った後の副産物?

Blxst : 作品の中で「感情」について触れた箇所は、一般的に誰もが共感しうるようなものだと思ってる。俺たちはみんな同じ出来事を経験してる。ただ、それを違う観点から見ているんだ。だから俺の音楽において「共感」というのは、当然起こることだと思うよ。

同じように音楽に対してメロディックなアプローチをしているアーティストたちと比べて、自分はどんなオリジナリティを持っていたいと思う?

Blxst : ただ自分に100%正直であることだね。誰も俺にはなれないし、俺のストーリーを語れない。だから、自分だけが持つストーリーこそがは自分をアーティストたるほどユニークな存在にしてくれる。だって俺は自分の過去しか経験していないからね。好きなように自分のストーリーを語れるのは自分だけだ。

「No Love Lost」のビデオで、あなたは共演者に「全ての金が”グッド・マネー”じゃない」と語りかけるよね。あなたがメジャー・レーベルや、キャリアに中での長期契約から距離を置くのは、このマインドセットが関係しているのかな?

Blxst : その通りだよ!レッドブルとの契約は、まずは信頼を築くことがとにかく大事だった。もちろん、俺は自分のビジョンを持っているけど、誰かと協力してそのビジョンを最大化することの重要性も理解してる。どんなに大金でオファーされても、信頼を築くことと、クリアなマインドでアートを制作できる環境が約束されていることが全てだ。それこそが俺にとっては一番重要なんだよ。

ここまでのキャリアで、あなたはライティング・キャンプに参加、他のアーティストのプロデュースを行ったり、Bino Rideauxとコラボレーション・テープをリリースし、自分自身のプロジェクトもリリースしてきたね。どのプロセスが一番楽しかった?

Blxst : 他のアーティストのプロデュースはとても好きだ。特定のアーティストの立場に立って、彼らのビジョンを最大化する経験はドープだ。何かしらの手助けをするのもね。色々な手が加わった方が、最終的に大きなものが出来上がると思うし。

ソロでの活動に入ってから、音楽へのアプローチは変わった?誰かのために、もしくは、誰かと一緒に作るときと比べて。

Blxst : そうだね。アイデアに対してよりオープンになった。自分のやり方に固辞せず、学ぶ意欲が増したし、他のことにチャレンジすることも増えた。

5年前の自分にアドバイスを送るなら、何と言う?

Blxst : プロセスを信じろ。自分への自信を鍛錬しろ。自分を信じて、集中し続けろ。上ばかりを見ちゃいけない。常に足元を見て、謙虚でい続けろ。

こうしてソロ・プロジェクトをリリースしたわけだけど、次の動きは?

Blxst : 俺としては『No Love Lost』のリリースも計画のうちなんだ。全てを自分でプロデュースして、ゲストも0人。そしてインパクトを残す。今はそのサウンドを広めることや、どこまで自分のクリエイティブを拡張できるかを知るために他のアーティストと仕事がしたい。

父親として過ごすことで音楽にポジティブな影響はあった?

Blxst : 実際に過ごす時間が変わったことがポジティブな影響かな。家族を養ったり、子供を育てたりすると、時間こそが最も価値のあるものだと気づくと思う。だから忍耐力を高めることに向き合うことができたんだ。プロジェクトを作ることを急ぎたくはないし、最高な状態で作品をリリースしたいでしょ。だから今はそこにフォーカスしてるよ。

「質は量より長持ちする」だ。多くの作品をただリリースすることもできる。でもそれが残らなければ何の意味がある?永遠に聴かれ続ける、時間を超越した作品を作ることこそが、音楽として残っていくと思うから。

Credit

Writer : Shinya Yamazaki
Edited by : SUBLYRICS

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