Vogue
June 21, 2020
アメリカの奴隷制度が終わった日とされる1865年6月19日。この日はアメリカで「Juneteenth」と呼ばれ、全米で様々なイベントや式典が開かれる。そんなJuneteenth にアーティスト / 活動家の Beyonce(ビヨンセ)が新曲「BLACK PARADE」をサプライズ・リリースした。
ブラックであることの誇りと祝杯、抗議運動・進行を掛け合わせたタイトル「BLACK PARADE」からもわかるように、Beyonce は今曲でブラックの美しさや誇りをメインテーマとしながらも、今もなお広がり続けているプロテストに関するラインを複数込めている。
「Juneteenth の週末よおめでとう!私たちは今、闘いの最中にいるけど、この喜びを分かち合い、共にお祝いができることを祈ってる。私たちの美しさ、強さ、力を忘れずにいよう。
「BLACK PARADE」はあなたを祝福する歌。あなたの声、あなたの喜びを祝福し、黒人が経営するスモール・ビジネスを応援する曲。詳しくはリンクをクリックしてね。」
自身のホームページでは黒人デザイナーや黒人が運営する企業、レストランのサイトなどを紹介するなど、生活に寄り添う姿勢を示した。作中では、アフリカというルーツへのリスペクトを語りながら、「私のパレードについてきて」と彼女らしいリーダーシップを発揮している。
[Intro]
Ah
[Verse 1]
I’m goin’ back to the South
南へと帰るの
(彼女の出身は南部テキサス・ヒューストン)
I’m goin’ back, back, back, back
私は帰るんだ
Where my roots ain’t watered down
私のルーツが薄められやしない場所へと
Growin’, growin’ like a Boabab tree
大きく、大きくなってゆく。まるでバオバブの木のように
(バオバブ = アフリカ原産の竹科植物)
All fly, above of the ground, ancestors put me on game
地上から遥か高くへと舞い上がる。先祖たちのおかげで今の私がある
Ankh charm on gold chains, with my Oshun energy, oh
ゴールド・チェインにはアンクの十字架。そして私の中にあるOshun のエナジー
(アンク = 古代エジプトで用いられた十字架型のサイン。生命の象徴。Oshun = ナイジェリアに伝えられるヨルバ神話に登場する神の名前。ビヨンセは「Sorry」のMVにてヨルバ神話をモチーフにしたアートを顔面にペイントする演出を行なっている)
Drip all on me, woo, Ankh or the Dashiki print
全部私が授かった恵み、アンクもダシキのプリントもね
(ダシキ = 西アフリカにおける着物・衣装。伝統的な刺繍が有名)
Hol’ up, don’t I smell like such a nag champa incense?
待って、ナグ・チャンパのお香の香りがしない?
(Nag Champa = インド発のお香のブランド)
Yeah, pure ice (Ice), ice (Ice), buss down
ピュアなダイアモンドで時計を輝かせる
Uh, flooded (Flooded), flooded (Flooded), on my wrist, out
もう私の手首は洪水(Flooded)のよう
(いかに時計が宝石だらけかを、Flood という水にまつわるワードで表現)
Ooh, goin’ up, goin’ up, motherland, motherland drip on me
昇っていく。母なる大地が私に恵みを授けてくれた
Ooh, melanin, melanin, my drip is skin deep, like
あぁメラニンよ。私が授かった恵みはこのディープな肌
Ooh, motherland, motherland, motherland, motherland drip on me
母なる大地が私に恵みを授けてくれた
Ooh, yeah, I can’t forget my history is her-story, yeah
あぁ、私の歴史が「彼女のストーリー」であることを私は決して忘れない
(彼女 = 全ての女性 / 全ての黒人女性 のことを恐らく指すのでしょう。自分の人生はそれほど影響力がある。誇りを持って生きている)
Being black, maybe that’s the reason why they always mad
ブラックとして生きること。あいつらが怒ってる理由はそれが理由なのかも
Yeah, they always mad, yeah
ええ、あいつらはいつも怒ってる
Been past ‘em, I know that’s the reason why they all big mad
あいつらを追い越してきた、それがキレてる理由だって私は知ってる
And they always have been
あいつらはいつも、ずっと、そうやってきた
[Chorus]
Honey, come around my way, around my
ハニー、こっちにおいで
Whenever momma says so, momma say
ママの言うことは聞かなきゃダメでしょ
Here I come on my throne, sittin’ high
そうして私は玉座に腰をかける
Follow my parade, oh, my parade
私のパレードについてきて、私のパレードに
Talkin’ slick to my folk (My folk), lift that lip like lipo (Lipo)
人々へ雄弁に語りかける。口を大きく広げるの
You hear them swarmin’, right? Bees is known to bite
彼らが押し寄せる声が聞こえるでしょ?蜂たちは噛みつき方を心得てる
(ビヨンセの熱狂的なファン・ベースの名称は「Beyhive」。hive はミツバチの群れを表す言葉なので、ファンを団結力の強い蜂に例えている)
Now here we come on our thrones, sittin’ high
今、私たちはこの玉座に共に腰をかける
Follow my parade, oh, my parade
私のパレードについてきて、私のパレードに
[Verse 2]
Yeah, yeah, I’m for us, all black
エイ、私はみんなのためにいる、全てのブラックのためにいるの
All chrome (Yeah), black-owned (Yeah)
全てのクロームはブラックのものなんだ
(クローム = 金属の一種。光沢があり、硬く、腐食しにくい)
Black tints (Yeah), matte black (Yeah, yeah)
ブラックのスモークガラス、マット・ブラックに仕上がってる
Roll by, my window down, let ‘em see who in it
車を走らせ、窓を下げる。みんなに誰が乗っているか見せてあげる
Crack a big smile (Ding)
ビッグ・スマイルを見せつけてやるの
Go figure, me and Jigga, fifty ‘leven children
わかるでしょ、私とJigga、たくさんの子どもたち
They like, “Chick, how?”
みんなはこう言う「子どもの調子は?」なんて
I charge my crystals in a full moon
私のクリスタルで満月を輝かせる
You could send them missiles, I’ma send my goons
ミサイルを撃つなら勝手にして、私は仲間たちを送るから
Baby sister reppin’ Yemaya (Yemaya)
ベイビー・シスターはYemaya をレペゼンしてる
(Yemaya = ヨルバ神話に登場する海の女神)
Trust me, they gon’ need an army (Ah)
私を信じて、彼らはきっと軍隊を必要とする
Rubber bullets bouncin’ off me (Ah)
私に当たったゴムの弾丸は跳ね返る
(抗議運動で警察はプロテスターはゴム銃を発表している。しかし彼女には、そんな脅しは効かない)
Made a picket sign off your picket fence (Ah)
あなたたちの庭に刺さる木の杭を、プロテストの看板にした
(庭に刺さる木の杭 = 裕福な家庭(一般的な白人の中流家庭)を象徴)
Take it as a warning (Ah, ah)
これは忠告だと思って
Waist beads from Yoruba (Woo)
ヨルバの民のように腰にビーズを巻く
Four hunnid billi’, Mansa Musa (Woo)
400万ドルを持つマンサ・ムーサ王のように
(マンサ・ムーサ = マリ王国最盛期の王。その資産は400万ドル = 4億円ほどだったとのこと)
Straw line to the barbeque
進行する道はバーベキューへと繋がってゆく
Put us any-damn-where, we gon’ make it look cute
どんな酷い場所に連れていかれようと、私たちはそれすらキュートなものに変化させる
Pandemic fly on the runway, in my hazmat
防護服を纏い、パンデミック中もランウェイを飛行する
(医療従事者たちへのリスペクト)
Judgin’, runnin’ through the house to my art, all black
家を駆け巡り、私のアートへと辿り着く。全てがブラックなの
Ancestors on the wall, let the ghosts chit-chat
先祖が壁から語りかける、幽霊とおしゃべりしましょう
(Ancestors on the wall, let the ghosts chit-chat)
(先祖が壁から語りかける、幽霊とおしゃべりしましょう)
Hold my hands, we gon’ pray together
この手を握って、一緒に祈りましょう
Lay down, face down in the gravel
膝をつき、地面に顔をつけ
Woo, wearin’ all attire white to the funeral
お葬式には真っ白の装束を纏って
Black love, we gon’ stay together
ブラック・ラブ、私たちはこれからも一緒
Curtis Mayfield on the speaker (Woo)
スピーカーからはCurtis Mayfield が流れ
Lil’ Malcolm, Martin mixed with momma Tina (Woo)
マルコム、マーティンとママのTina がミックスしたような存在
(マルコム・X / マーティン・ルーサー・キング / Tina Knowles(ビヨンセの母))
Need another march, lemme call Tamika (Woo)
もっと行進が必要、私をTamika と呼んで
(タミカ・マロイ = 女性の人権活動家)
Need peace and reparation for my people (Woo)
私たちの仲間へ、平和と賠償が必要だ
Fuck these laid edges, I’ma let it shrivel up (Shrivel up)
ファック、レイド・エッジ、私が縮み上がらせてやる
(レイド・エッジ = 黒人女性の象徴的な髪型。黒人は一般的に男女共に髪の毛のケアに多くの時間とお金を費しているとされているが、ビヨンセはここでありのままの姿の美しさを強調する)
Fuck this fade and waves I’ma let it dread all up (Dread all up)
フェードもウェイブもファックだね、私が全滅させてやる
(フェード / ウェイブ = 黒人男性を象徴する髪型)
Put your fists up in the air, show black love (Show black love)
さあ拳を天に掲げ、ブラック・ラブを示そう
Motherland drip on me, motherland, motherland drip on me
母なる大地が私に与えてくれた恵み、母なる大地が与えてくれた恵み
[Chorus]
Honey, come around my way, around my
ハニー、こっちにおいで
Whenever momma says so, momma say
ママの言うことは聞かなきゃダメでしょ
Here I come on my throne, sittin’ high
そうして私は玉座に腰をかける
Follow my parade, oh, my parade
私のパレードについてきて、私のパレードに
Talkin’ slick to my folk (My folk), lift that lip like lipo (Lipo)
人々へ雄弁に語りかける。口を大きく広げるの
You hear them swarmin’, right? Bees is known to bite
彼らが押し寄せる声が聞こえるでしょ?蜂たちは噛みつき方を心得てる
Now here we come on our thrones, sittin’ high
今、私たちはこの玉座に共に腰をかける
Follow my parade, oh, my parade
私のパレードについてきて、私のパレードに
[Bridge]
We got rhythm (We got rhythm), we got pride (We got pride)
私たちにはリズムがあり、私たちにはプライドがある
We birth kings (We birth kings), we birth tribes (We birth tribes)
王を生み出し、部族を生んできた
Holy river (Holy river), holy tongue (Holy tongue)
聖なる川、聖なる言葉
Speak the glory (Speak the glory), feel the love (Feel the love)
栄光を語り、愛を感じよう
Motherland, motherland drip on me, hey, hey, hey
Motherland, motherland drip on me, hey, hey, hey
母なる大地は私に恵みを与えてくれる
I can’t forget my history, it’s her-story
私の歴史を忘れることなんてできない、これは「彼女」のストーリーなのだから
Motherland drip on me, motherland, motherland drip on me
母なる大地は私に恵みを与えてくれる
[Chorus]
Honey, come around my way, around my
ハニー、こっちにおいで
Whenever momma says so, momma say
ママの言うことは聞かなきゃダメでしょ
Here I come on my throne, sittin’ high
そうして私は玉座に腰をかける
Follow my parade, oh, my parade
私のパレードについてきて、私のパレードに
Talkin’ slick to my folk (My folk), lift that lip like lipo (Lipo)
人々へ雄弁に語りかける。口を大きく広げるの
You hear them swarmin’, right? Bees is known to bite
彼らが押し寄せる声が聞こえるでしょ?蜂たちは噛みつき方を心得てる
Now here we come on our thrones, sittin’ high
今、私たちはこの玉座に共に腰をかける
Follow my parade, oh, my parade
私のパレードについてきて、私のパレードに
Writer : Shinya Yamazaki
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