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DJ Booth

CJ Fly、最新アルバム『Rudewboy』のコンセプト
自分のアイデアに自信を持つことの重要性を語る

APRIL 22 2020

NY・ブルックリン出身、Joey Bada$ 擁するヒップホップ・コレクティブPro Era の設立メンバーの一人CJ Fly が初のスタジオ・アルバム『Rudewboy』を先日リリースした。ジャマイカのスラングで、レゲエにもよく登場する「Rudewboy – 不良少年」という言葉をタイトルに据えた新作は、NYとジャマイカという彼のルーツを全面に押し出した作品になっていた。

客演にはファミリーPro Era の面々が全員集結。作品を通して聴いていると、彼らが共に過ごしてきたブルックリンの一角でパーティをしていた懐かしい記憶を思い返しているかのような、そんな音が聴こえてくる。

彼は新作にどんなコンセプト、テーマを込めたのだろうか。Pro Era とソロ・アーティストとしての活動の関係性なども語ってくれたDJ Booth のインタビューを参照し、紹介していこうと思う。

『Rudewboy』はCDプレイヤーにCDを出し入れする、あの効果音でアルバムを始め、締めくくっているよね。何かに影響を受けたの?

気づいてくれてありがとう。俺はみんながそういうディテールに気づいてくれるように心がけているのさ。
俺の聴いてきたクラシック・アルバムは全て始まりと終わりにドープな音を持ってきていた。ヴァイナルか、CDプレイヤーのことなんだけど。俺の世代は特にCDだった。実際はブートレグばっかり買ってたんだけどさ。

俺は自分の世代を表現したいと思ってた。プラスチック製のジュエル・ケースを開けて閉じる、それをCDプレイヤーに入れると、変わった音がする。その雰囲気を捉えようとしたんだ。

 

このアルバムは明らかにジャマイカンのフレーバーを感じるよね。勿論タイトルから、“ BARRELL ”の曲調も。西インドのルーツを作品を通じて表現した理由はあるの?

十分に評価されていない気がしてね。ヒップホップが存在するのはジャマイカンのおかげだ。みんなはそんなこと「どうでもいい」と思うかもしれないけど、事実なんだ。Kool Herc はジャマイカ人で、向こうのパーティで使われていたDJ システムを初めて持ち込んだ。それが結局ヒップホップのカルチャーになっていったんだ。

その事実を知っているから、俺はこの作品をシーンに持ち込んで、カルチャーを正しく表現したかった。多くの人がヒップホップが生まれた場所以外から来ている現状があるのに、俺がルーツに愛を示さなくてどうするんだ?俺が最初に好きになったのは、レゲエと、ソカ、カリプソ音楽だぜ。

 

この作品はBusta Rhymes や、Phife Dawg が西インドのルーツを曲に落とし込んでいた頃を思い出したよ。

まさに俺が最も影響を受けた2人だよ。俺が聴いた中でPhife Dawg はパトワをヴォーカルに導入した人だ。「おいおい、こんなのできるのかよ?」って思ったよ。Phife が英語で、そのストーリーを話すのは特別だった。その数年後に彼と直接会って、一緒に俺のミックステープの制作を行うことができたんだ。そのセッションで、俺は自分らしくラップすることの重要性を学んだ。自分のような人のためにラップをすべきだとね。Tribe、Phife、安らかに眠ってくれ。

前作『Flytrap』に欠けているものは何と感じ、『Rudewboy』では新たに何を表現したいと思った?

正直言うと『Flytrap』ではビートのチョイスが限られていたんだ。俺はその時、人の影響を受けやすく、周りの人に意見を求めすぎていた。自分自身を信じずにね。
アーティストとしても人間としても成長過程だったから。だから物事を簡単に吸収しすぎていたんだ。タイトルを伝えると、みんな作品が全部トラップ・ビートだと思うから、それに合わせてたんだよ。

元は沢山Boom Bap のビートもあったのにさ。トラップのCJ Fly クロスオーヴァーをイメージしてたんだけど。実際は俺のカルチャーを表現するにはベストな方法じゃなかったと思う。実際、俺の思っているような反響も得ることはできなかった。『Flytrap』の制作は心が沈んでた。けど『Rudewboy』は超楽しく制作ができたね。自分のストーリーを語ることできたし。

 

『Rudewboy』では「ノスタルジック」も大きなテーマの一つになっているけど、自分の過去を振り返って、その過去があなたをアーティストとしてどんな風に成長させたと思う?

自分が生き残っていてよかったと思うよ。こういうストーリーを世界と共有できるような立場にいれて幸せだ。
過去がなければ、アーティストとしての今の俺はいないかもしれない。死んでいたかもしれないし、刑務所にいるかもしれないんだから、今の自分がここにいれて本当に恵まれてるよ。ただ感謝してる。

 

このアルバムはあなたにとって重要なアルバムだと思うけど、Pro Era のメンバーもゲストとして全員参加しているよね。“ The Pros ”はまさにその例だけど。Pro Era の一員であることがソロ・アーティストとしての動きに影響を与えている?

クルーを持つと、さらにハードに活動できるようになる。同じ志を持った仲間が同じ目標を追いかけてる。このプロジェクトにPro Era の面々が参加することは俺にとって絶対必要だった。だって俺たちが一堂に会す曲なんて、みんなしばらく聴いてないだろ。多くの人が6分とか7分の曲を聴きたがっているだろうし。今誰もそんなことやってないしさ。

 

Pro Era に入る前の幼いころの自分に会ったら、何を伝える?

自分を信じて、いつも他人の承認ばかり求めないこと。俺は一人っ子だったから、Pro Era は俺にとって兄弟だった。俺は常に必要のないところで、心配に駆られて、他人からの承認ばかりを求めていた。Pro Era のみんなに出会う前からラップはしていたから、彼らと会う前と同じように自信を持つべきだったな。「そこにあるのはお前のアートなんだから。自分のビジョンと計画を遵守しろ。」ってね。

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