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D Smoke : Instagram

D Smoke、新作『Black Habits』のコンセプト、来日から感じた日本におけるヒップホップ・カルチャーの受容を語る

FEBRUARY 07 2020

TDE(Top Dawg Entertainment)のシンガー / ラッパーであるSiRの兄であり、ネットフリックスにて公開された「Rhythm + Flow」のチャンピオンに輝いたことでも話題のカリフォルニア州ロサンゼルス / イングルウッド出身のラッパーD Smoke(D スモーク)がニューアルバム『Black Habits』を2/7(金)にリリースした。

先日、東京・渋谷にて行われたカウントダウン・パーティにゲストとして出演し、来日も果たしたことも記憶に新しいが、前作『Inglewood High』から約4ヶ月で完成させた最新作に彼はどんな想いを込めたのだろうか。
地元LAのラジオ番組「REAL 92.3 LA 」にて最新プロジェクトについて、来日の思い出についても明かしてくれたので紹介していこうと思う。

アルバムのタイトルは『Black Habits』だ。
これは俺の家族の経験を通じたストーリーを描いた作品。黒人の良くも悪い部分、美しくも醜い部分、それぞれの経験を描いている。Habits(習慣・傾向)は色々な方法で現れる。例えば、礼拝で一日を始めるのも一つの Habitsだ。

子どもたちは様々な方法で習慣の「肯定」を経験していく。俺たち家族で言えば、母親の存在が肯定を生み出してくれる存在だった。「祈れば、父親が早く刑務所から出られるよ」と兄弟が言っていたのもそうさ。
そういった習慣は俺たちの生活の「前提」を示してくれる。だからそれらの習慣はまさに現状を引き起こす理由だと考えられるんだ。アルバムのコンセプトはそんなところだね。

アルバムのタイトル通り、彼はこの作品を通じて自身を形成してきた過去、自身の家族が経験してきた過去、生活の中で繰り返される習慣・当たり前についてのストーリーを語っている。先行シングル” No Commas “のリリックには、アフリカン・アメリカンとして生きていく上での当たり前(慣習)が描かれていた。

“ We think we owners, but we only renters, why?
The system ain’t broke, it’s designed to keep us declinin’
Until we reach the bottom line and can’t see the sky
Swimmin’ in our misfortune, distortin’ our vision and eyes glistenin’

俺たちは自分たちだってオーナーだと思ってた。けど俺たちはただ借りているだけみたいだ。なんでだよ?
システムは壊れているわけじゃない。俺たちが破滅するよう仕組まれてる
俺たちがどん底まで落ちて、空が見えなくなるまでね
不幸の中で泳ぎ回って、俺たちの描いたビジョンは歪められ、目は涙で輝いてる。- No Commas ”

「今までの経験が自分自身を作り上げるんだ」と過去にインタビューでも語っていたように、彼は生まれ育った場所や、そこで得てきた経験を非常に大切にしている。前作『Inglewood High』は地元イングルウッドの高校教師としての経験を語った作品だったが、前作と明確に異なるのは、フォーカスした「時期」だと言う。

『Inglewood High』の方がより「新しい」作品だ。『Black Habits』はショー(Rhythm + Flow)のもっと前の話を描いてる。基本的に『Inglewood High』はその数ヶ月前に録ったものが多かったけどね。

俺はこの作品でショーを見た人では知らないようなストーリーを描いているんだ。俺の芸術性、苦境、アーティストとしてのジャーニーを形成した最も核の部分は「俺の家族が通ってきた経験」にある。
音楽に囲まれて、どんな場所で風に育ってきたかを抜きにD Smokeは存在しないからね。

また、日本に住む読者の方にとっては、彼が昨年年末、日本でのカウントダウン・パーティにゲストとして登場したことも記憶に新しいだろう。LAで生まれ育った彼の目に日本、特に東京はどのように目に映ったのだろうか。

正直に話すよ。似通った場所に行ったことがあれば、想像はできるものだけど、それがなかったから、日本がどんな場所かは想像していなかった。
まずは美しかったね。俺たちが話していて興味深いと思ったのは彼らがヒップホップのカルチャーを明らかに受容していること。でもそのカルチャーを自分たちにそのまま当てはめているわけではなく、アジア人らしい感性のスタイル、美意識に、ヒップホップのカルチャーを注いでいるんだ。
俺たちが着ているような服を、革新的で科学的とも言える着方をしてるんだよ!「マジかよ!マジでイケてる!」ってマジで思ったね。あいつらのスワッグは本当にクレイジーだった。

公共の場所に行けば、どこも人でいっぱいなんだけど、でも「静か」なんだよ。そこにメンタリティの違いが表れていると思う。普段の生活をどんな風に過ごすか、そのバイブスが違うんだ。

彼がインタビューにて話してくれた「ヒップホップのカルチャー」というのは、精神的なものではなく、主にファッションについてだと予想される。日本らしいヒップホップ・カルチャーの受容の仕方とは一体どんなものなのか。日本で過ごしていると気付き難いところだが、LAで生まれ育った彼の視点だからこそ見えてくる部分があるのかもしれない。

SiR、Snoop Dogg、Jill Scott、Ari Lennoxなどの豪華ゲストも参加している最新アルバム『Bad Habits』はリリースしたばかりだ。彼のアーティストとしての姿、作品を形成した過去、家族の経験を込めた、そんな作品を是非チェックしてほしい。

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