A$AP Ferg Floor Seats

Complex

A$AP Ferg『Floor SeatsⅡ』のコンセプトとA$AP Mob脱退の噂を語る

October 11, 2020

ニューヨーク出身のラッパーA$AP Ferg がニューアルバム『Floor Seats 2』をリリースした。昨年8月にリリースしたEP『Floor Seats』の続作となる今作は、Marilyn Manson、Tyga、Lil Wayneを始めとする数多くのゲストが参加した前作と同じ程度のボリュームとなる10曲入りの作品となった。収録曲のタイトルに著名人の名前を採用し、特に1曲目「Marilyn Manson」に至っては、Manson本人がゲスト参加するというサプライズを届けてくれた。

「Floor Seats」という言葉はバスケットボールの1階席を意味しており、その熱狂や親しみやすさのようなものを彼は今作で届けようとした。Complex のインタビューで今作を「人々の心を惹きつけ、今、世界で起こっていることから逃避、離れるための音楽」と語っていることからも分かるように、彼はリスナーの心をバスケットボールのコートへと導こうとしている。「Move Ya Hips」のようなまさにFergらしい勢いに溢れた作品はもちろん、「No Ceilings」「AussieFreaks」のようなブルックリン・ドリルのサウンドを採用し、流行を追いかけた作品も収録されたアルバムを彼はどんな想いで制作したのだろうか。さらに、A$AP Mobの設立メンバーとして知られるA$AP Illzによる「FergはMobのメンバーじゃない」というコメントから噂されたクルーからの脱退の噂についてもApple Musicのインタビューで語ってくれたので、抜粋し紹介していこうと思う。

Interviewer : 『Floor Seats』という作品はどこからアイデアを受けているんだい?

A$AP Ferg : 『Floor Seats』はバスケの試合を観に行った経験にインスパイアされてる。それが俺の初めての観戦だった。契約を担当してくれていたBrianが初めてKnicksの試合に招待してくれた。それがフロア・シートだったんだ(バスケットボールの一階席)。そこに辿り着いて、横には50 CentやSpike Leeがいるんだ。こんな風に試合を経験できる人はそうそういないと思ったし、その経験を作品にしたかった。だから作品にはバスケットボールの選手もたくさんフィーチャーされてるよ。(FergはKnicksのハーフタイムショーでパフォーマンスを行なっている)

– あなたとFobby(Fivio Foreign)は繰り返し2作で共演してるね。二人ともNasのアルバムに参加して、その次はあなたの作品だ。彼との関係性を教えてくれないか。偶然起きた共演なのか、二人の関係性から来た共演なのか。

Ferg: 俺はずっとFobbyのファンでね。二人で曲を出す予定もなかったけど、俺から連絡していたんだ。FaceTimeで二人で話をしたりで仲良くなった。特に今回の「Aussie Freaks」での共演に関して、彼は高いエネルギーを持っているし、とにかくクールだったね。でも、まずはPop Smokeに追悼の言葉を捧げたい。Nasとの共演は、たまたまHit-Boyのスタジオに顔を出したら、彼が「このNasの曲聴いてみろよ!」って言うからさ。しかも、NasとFivioの曲で。これはヤバくなると思ったね。ビートの冒頭5秒で、「Oh、もう決まりだ」って思ったね。その時、ちょうどマリリン・マンソンとのレコーディング待ちをしていて、時間があったから、ゲストに参加した形だね。

– デビル・マリリン・マンソンの祝福だね(笑)。マリリン・マンソンとのコラボレーションはどんな風に生まれたんだ?

Ferg : 曲自体は去年製作したんだ。アトランタのC-Noteでね。「Shabba」もそうだけど、俺はリスペクトしている人の名前を曲に入れることが多くて。その曲を改めて聴いたら気に入ったから、彼に参加して欲しいと思った。インスタグラムでフォローしたら、すぐにフォローが返ってきたから、DMして制作しようとなってね。本当にクールな男だった。全身を黒に包んでね。まさに「マリリン・マンソン」だった。

– その次には「Dennis Rodman」という曲があるね。先程のように、インスピレーションを曲に落とし込んだんだと思う。そして、デニスはバスケの選手なわけだから、アルバムのタイトルとも繋がってくるよね。

Ferg : 仲間のAnthonyがこう言ってたんだ。「デニスとマリリンはまるで同一人物だ」って。ただ肌の色が違うだけでね。俺はリスクを取るタイプの人間が好きなんだ。「普通」を壊すような人間のことだよ。自分で道を敷いて、自分のルールで生きる。そういう奴らが好きなんだ。問題児だね。

– Twitterでトレンドになっていた話題に触れるよ。A$AP MobがFergを追い出そうとしていると聞いたけど、騒がれて驚いた?

Ferg : まずは本当に全てに驚いたよ。何が起きたかも、いつこんな話が始まったのかも知らなかったから、笑うしかなかったね。何が原因かも分からなくて、しまいにはPharrellからメッセージが送られてきてさ。「違うよ…」と思ったけど。けど、この出来事で人がいかに簡単に分断されるかがよくわかった。レストランに出かけたら、こう言われるんだ。「ファックA$AP!お前がベストなラッパーなのに!」なんてね。俺も怒るどころか、ちょっといい気分になったけど(笑)。でも、人は簡単に物事を決めつけて、当たり前だと思い込む。出来事にはいろいろな側面があるのにさ。インターネットらしい出来事で、ただ面白かったよ。まさかあんな風になるとは思ってなかった。

Credit

Writer : Shinya Yamazaki
Edited by : SUBLYRICS

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