floyd

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ミネアポリスにて黒人男性が警察官に窒息死させられた事件に対して上がる、怒りと悲しみの声

May 29, 2020

アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス。Prince(プリンス)やBob Dylan(ボブ・ディラン)の故郷であり「音楽の都」としても知られる街で起きた悲惨な事件が今、全米の怒りと悲しみを生んでいる。

5月にジョージア州でジョギングをしていただけの黒人男性が白人親子に射殺されたほか、ニューヨークでも散歩中の黒人男性が白人女性によって警察に通報されるなど人種差別事件が相次いでいることもあり、このところアメリカでは人種に関する根深い問題への疑問の声は高まっていた。

そんな最中に起きた事件は耳を疑いたくなるほどの残酷なものだった。
ミネアポリス市内で「偽札使用」の容疑をかけられた、非武装の黒人男性George Floyd(ジョージ・フロイド)さんは、2人組の警察官に手錠をかけられた後、首元を膝で5分以上押さえつけられ窒息死(圧死)してしまった。地面に押さえつけられている状況で彼は一切の抵抗のそぶりは見せておらず、「I Can’t Breathe – 息ができない」と生命の危険を訴えていた。

(ショッキングな映像なので閲覧にはお気を付けください)

そもそもこの偽札使用の容疑も確かなものではなく、現場の監視カメラ映像を見れば、George Floyd さんが一切抵抗していないのはよくわかるだろう。「凶器を持っていて危険である」わけでなく、彼はただ偽札使用の「容疑」をかけられただけなのにだ。

それに加え、通行人たちに「彼は抵抗していない!」「彼はもう動いていない!」と指摘されながらも、その声を無視する警察官。この様子を捉えた動画が拡散し、警察による非武装・非抵抗のアフリカン・アメリカンに対する扱いに対し再び激しい非難の声が上がり、ミネアポリスを中心に全米でデモ・暴動が起こっている。

白人警官の供述は「車から離れるよう命じたが抵抗した」から、拘束したとあるが、仮にこの「車」がGeorge 自身の車を意味するなら、監視カメラの内容とは矛盾する。

結果的に4人の警察官は「解雇」の処分を取られたそうだが、世界中の人々が「これは明らかな人種差別だ」「人を殺しておいて免職で済むのはおかしい」と抗議の声をあげたほか、遺族は起訴を求めている。この事件に対し、アメリカでは多くのアーティストが声を挙げている。

あいつら警察には感情がないんだ!

もう十分!何が必要なの?市民戦争?新たな大統領?暴力的な暴動?もううんざり!私は疲れた!この国は疲弊しきってる!人に恐怖を埋め込まないで!あなたがいかに臆病者かを証明してるだけだわ。これでアメリカが自由の国じゃないことはよくわかるわね!

 
 
 
 
 
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this makes me absolutely sick. This makes me angry this man DIED. This makes me sad. Racism is evil We need to use our voice! Please people. I’m sorry GEORGE FLOYD

Justin Bieber(@justinbieber)がシェアした投稿 –

本当にこんな事件最悪だよ。この男が殺されて俺は怒ってるし、悲しい。人種差別は悪魔だし、俺たちはこの声を使わないといけない。みんなお願いだ。そして、ごめんGeorge Floyd さん。

 
 
 
 
 
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Do you understand NOW!!??!!?? Or is it still blurred to you?? 🤦🏾‍♂️ #StayWoke👁

LeBron James(@kingjames)がシェアした投稿 –

もうこれで理解したか?それともまだわからないか?

もう話すのも疲れた。今すぐ行動を起こさないと。怒り狂ってるわ。

FBI は警察署の誰がレイシストかわかってるはずだ。それなのに何もしないから、こんなことが起こる。彼らをつまみ出せ!

George Floyd を殺した犯人には正しい責任と有罪判決を。

アメリカ。私はあなたにもう疲れ果てたわ。ファック・ユー。

また、この事件が起きたちょうど同時期にテキサス州では、21歳の黒人青年が一時停止の交通ルールを破ったという理由だけで、銃を向け、しまいには彼を守ろうとしたお婆さんまでをも取り押さえる事件も起きており、日頃から溜まっていた不満が爆発するのも無理はないだろう。

Meek Mill が過去に語っていたように「抵抗すれば必ず銃撃されることを理解している」から、アフリカン・アメリカンたちが警察に抵抗することは基本的に考えられないというのが常識だそうだ。抵抗をせずとも命を奪われる恐怖に日々怯えながら生きていくのがどれほど辛いことだろうか。

しかし、日本でもこういった外見・人種・国籍による差別の問題は起きており、上記の事件も他人事ではない。今月23日渋谷区で、非武装・無抵抗のクルド人男性が警察に暴行を受ける事件が起こっている。結果的に当事者に違反はなかったとのことで、大事には至らなかったようだが、事態がエスカレートしていたら同じような悲劇が起こっていた可能性もある。この事件に関しては、ミネアポリスほど詳細な情報が明らかになっていないため、単純な批判はできないが、どこにいても権力の濫用は起こりうるし、人種差別という断ち切らなければいけない意識が原因となることもある。

今回の事件の被害者George Floyd さんは、かつてヒューストンのDJ Screw の楽曲にBig Floyd 名義でラッパーとして活動していたこともあり、ヒップホップ・ファンにとっても本当にいたたまれない事件となってしまった。ミネアポリスのデモは今もを勢いを増し続けている。火災が起こり、量販店は暴徒に狙われ略奪が起き、混沌とした状況が続いている。今後のアメリカの状況を見守りながら、Floyd さんのご冥福をお祈りしたい。

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