Roc Nation jay-z

NYTimes

Jay-Z率いるRoc Nationが
アマッド・アーバリー殺害事件に対して声明を発表

May 12, 2020

アメリカ・ジョージア州と聞けば、ラップ・ファンたちはまずアトランタ、そしてトラップ・ミュージックのシーンを引っ張る名ラッパーたちを思い起こすことだろう。そんなサウスの中心地で起きた、暴行・殺害事件が今全米で大きな物議を醸している。

同州に住む25歳のアフリカン・アメリカン、Ahmaud Arbury(アマッド・アーバリー)はジョギングをしているところを白人男性2人Gregory McMichael(グレゴリー・マクマイケル)、Travis McMichael(トラヴィス)により追跡、その後、射殺された。この事件が起きたのは約2ヶ月前だったが、事件現場の動画がインターネットに出回ったこと、その内容が明らかに白人男性二人による一方的な襲撃にしか見えなかったことが、全米を巻き込む騒動になった原因である。

白人男性2人は庭の前を走り抜ける被害者を強盗と見て「黒人男性が走っている」と通報、襲撃は行ったそうで、動画が公開されるまでの2ヶ月間、逮捕・勾留は一切されず、ヘイト・クライムではないか、そして、もし「動画が公開されていなかったら、彼らは逮捕されていたのか」という、疑問の声が挙がっているわけだ。(それに加え、加害者は30年間・地元警察に勤めていた)

そんな事態に対し、いち早く声を挙げたのがJay-Z(ジェイ・Z)率いるRoc Nation(ロック・ネーション)だ。声明にはJay-Zを代表に、Alicia Keys, Yo Gotti, Meek Mill など所属アーティストたちが署名されており、ジョージア州に今回の件に関しての迅速な対応を求めている。

彼らの声明には、起訴された2人のうち1人、Gregory McMicheal が元警察官であり、利益相反の恐れがあるため、地方検事のTom Durden は今回の事件から忌避されるべきであるとの内容が綴られ、いかなる不平等を許さない姿勢を強調した。

“ アマッドは愛すべき息子、兄弟、そして地域のポジティブなロール・モデルでした。彼は人間だったんだ。彼はアフリカン・アメリカンで、悲しくも、それが理由でターゲットになってしまった。母の日の2日後はアマッドの26歳の誕生日でした。私たちは同じようなブラックの母親が、肌のカラーによって息子を失い、悲しみに明け暮れる日々を過ごすことを絶対に容認できません。”

今年の2月にはNFL とのパートナーシップを結び、物議を醸していたRoc Nation だが、彼らは間違いなくチーム・会社として社会的正義の成立を目指し、常に動き続けている。Yo Gotti は声明の中で「私たち皆が、Ahmaud Arbury だ」と語るように、地域、コミュニティ、そして力に抑圧される一人一人の視点に立ち、声を挙げている。

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