BILLBOARD
May 11, 2020
Lil Durk(リル・ダーク)はシカゴ出身、ドリル・シーンを代表するアーティストの一人として、数々の作品をリリースしてきたラッパーは「作品をリリースしてくれ」というファンによる声に再び答えた。
ドリル・ミュージックにメロディを取り入れ、ハミングすることで多くの人の心を掴んできたラッパーは、『Just Cause Y’all Waited』の続作となる最新アルバムで、厳しい環境で生まれ育った自身の過去と、愛情の欠如、そこから生まれる憂鬱な感情が込められたサウンドを披露している。それだけでなく、彼は15曲40分を決して飽きさせないような作品作りに成功している。今作で収録された「Triflin Hoes」や「Doin Too Much」「Chiraq Demons」では疾走感のある新たな一面を見せており、いわゆる「メロディアス」という枠組みに収まらないことを宣言しているようである。
Genius によるインタビューでは、今作の制作プロセス、Metro Boomin とのアップカミングなジョイント・アルバムについても語ってくれているので、以下で印象的な発言を抜粋、紹介していこうと思う。
『Just Cause Y’all Waited 2』のオリジナル(Ver.1)はDef Jam から離れた直後で、あなたのキャリアの中でも重要な作品だと思うけど、あなたが何を作りたいかを宣言するような作品だったと思う。今作はなぜその続作としたんだい?
同じような制作の道を辿ってきたからだよ。俺たちはMetro のようなプロデューサーとのビッグ・プロジェクトを前にしてるから。ソーシャル・ディスタンスを行なっているから、簡単にスタジオに行き来もできないしさ。しかも彼は21 Savage との作品を完成させてるところだ。
それなら『Just Cause Yall Waited 2』は完璧なタイミングだと思ったんだ。みんな家にいて、Metro の作品を待っているなら、それまでにイケてる曲を合わせてリリースすれば、みんな気に入ってくれるってね。
では、今作ではどんな曲を入れたの?
大半が「痛み」についての曲さ。けど、Gunna との「Gucci Gucci」のような捻りも入れているけどね。それに「Doing Too Much」や「Triflin Hoes」では違う雰囲気を表現してる。アップテンボなビートだ。
(The Fader)
「Turn Myself In」は今作の中では古い曲に当たると思うけど、ファンには愛されている曲だよね。あなたが人生の中でどんな経験をしてきたかが描かれている。前作『Love Songs 4 The Streets 2』がリリースされた時に、この曲もすでに公開されていたわけだけど、収録せずにいたよね。なぜ「Turn Myself In」を今作に収録したの?
アルバムの設計の問題だね。曲の雰囲気がフィットすると思うし、今まで聴いたことがあっても、なくても完璧なフィットを見せていると思う。
他の曲も素晴らしいけど、Lil Baby とPolo Gが参加した「There Headed Goat」は、特に目立つ一曲だよね。
それがクレイジーでね、俺とBaby がスタジオにいて、制作途中の楽曲に取り掛かってた。エンジニアがそこで、パソコンを壊しちまって、データが消えてしまった。何曲か代わりに曲を入れようとなって、そこにPolo Gが参加したんだ。
あなたは常にストリートのことを歌っているよね。金や、高級時計のことだけじゃなくて。今あなたは生まれ育ってきたような環境とは別の場所にいると思うけど、どんな風にバランスを取ってるんだい?成功は見ないようにしてる?
確かに今はもう同じ生活はしていない。でも俺はまだ刑務所へ、ストリートへ、アスリートへ語りかけている。勿論ラッパーへもね。みんな問題を抱えてるから。まだ自分だけの音楽を模索してる。どちらにしてもストリートは切っても切り離せない存在だよ。
結局のところは「もしLil Durk の近況を知りたいなら、彼の音楽を聴けば一目でわかる」だよね。
そうだね。全ての曲にメッセージが詰まってる。それこそが俺の音楽のゴールだから。
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