the Weeknd After Hours

Variety

The Weeknd、アルバム『After Hours』の
リリース延期の勧めを断った理由を明かす

APRIL 10 2020

カナダ・トロント出身のシンガーThe Weeknd(ザ・ウィーケンド)ことAbel Tesfye(エイベル・テスファイ)が3月20日にリリースした4枚目のスタジオ・アルバムが(セールス面で)彼の作品の中でも最も素晴らしい成功を収めた一枚になるであろうことは既に十分予想ができる。

アルバム・セールスと、ストリーミング回数を合わせた週間スコアは、自身の最高記録を記録した『A Beauty Behind the Madness』を上回り、2020年ナンバーワンの記録を獲得。しかもこの数字はコロナ・ウイルスの拡大がアーティスト、業界にとって甚大な(悪)影響を与えている上での数字だ。

従来行ってきたようなプロモーションが不可能になったり、レコード・CDショップの一時的閉店が相次いでいたり、各音楽ストリーミング・サービスの週間再生数が数%落ち込んでいるとの情報もあり、現在多くのアーティスト、レーベルが事態が落ち着くまで新作のリリースを保留、延期にする決断を取っている。セールス面での影響にフォーカスすれば賢明な判断の一つだろう。実際にLady Gaga, Alicia Keys などの大物アーティストたちはリリース延期を発表している。

Abel に長年連れ添ってきたマネージャーWassim “ Sal ” Slaiby や、Amir “ Cash ” Esmailian、そしてRepublic Records のエクゼクティブたちも例に漏れず、彼にアルバムの延期を提案したそうだ。The Variety のインタビューに登場したAbel がその提案を結果的に断った理由を語ってくれた。

「リリースを延期するか否か」というディスカッションはすぐにやめた。ファンたちはアルバムをずっと待ってくれている。俺はその時感じてたんだ。この作品を届けなきゃならない、と。

結果的に商業的成功を収められたのは幸せなことだよ。だって勝算はなかったんだから。音楽ストリーミングは10%ほど落ち込んでいて、店舗は閉まってる。みんなコンサートにも行けないし。でも俺は気にしなかった。俺はこの作品がファンにとっていかに重要であるかを理解してたから。

従来の作品の良さを生かしながら、新たな挑戦を成功させたアルバムは、そのクリエイティブ面での成功は言わずもがな、セールスにおいても過去最高の記録を獲得した。世界中で外出の自粛が命じられる今、多くの人が不安を抱えながら毎日を過ごしている。中には親族、知人、そして自分がウイルスに直接的な影響を被った人も少なくないはずだ。そんな先が見えない状況だからこそ、待ってくれているファンに「今」作品を届けたいというAbel の想いが、今回のリリースに繋がったのだろう。

ヒップホップを中心に今アメリカの音楽シーンでは、壮絶なセールス競争が巻き起こっている。Justin Bieber が『Changes』のリリース時、ファンに「1位になるためストリーミング再生してくれ」とソーシャル・メディアを通じて呼びかけたり、Roddy Ricch の“ The Box ”がTikTok を通じて一大ブームを起こしたように、「ミーム」が生まれるような作品づくりをしたり、と、いわばセールス、記録を手に入れるための施策が多方でなされているわけだ。そんな競争下でもファンの心情を思い、こんな状況だからこそ作品を届けたい。というセールスを重視するだけではない重要なマインドをAbel が体現したことがわかる。

今回はそのセールス面、そしてAbel の持つマインドにフォーカスして作品の紹介を行なったが、サウンドや、アルバムに込められた数々の引用などの解説は【 The Weeknd-『After Hours』 ドラッギーで美しく、破滅的なThe Weekndの世界 】にて紹介しているので合わせて是非チェックしてみてほしい。

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