The New York Times
FEBRUARY 28 2020
Gucci Maneを発掘したコーチ・Kにその才能を見出され、地元アトランタを代表するレーベルQuality Controlと共に大きな成長を見せてきた若手ラッパーLil Baby(リル・ベイビー)が待望のセカンド・アルバム『My Turn』をリリースした。
2018年デビュー・アルバム『Harder Than Ever』をリリース、昨年にはBET Awardsにて「Best New Artist」を受賞したラッパーは、ストリートから抜け出し、新作でどんな変化を見せたのだろうか。The New York Timesによるインタビューを参照しながら、紹介していこうと思う。
アトランタのフッドで生まれ育った彼は、ドラッグ・ディールが原因で2年間収監されている。出所後すぐ、2017年に音楽への道を歩み始め、ほんの1年〜2年でシーンを駆け上がってきた。
ラップ・ミュージックによってストリートの危険な生業から抜け出してきた代表的なアーティストだと言えるだろう。2017年に行われたNY Timesのインタビューでは「ストリートの生活が恋しい」とも語っていたが、現在は自身とストリートとの距離感についてどのような考えを持っているのだろうか。
“ 全く昔が恋しいとは思わないね。昔を思うとスリルを感じるよ。けど恋しいとは全く思わないね。
ストリートを抜け出す決断をしたとは思っていない。
ストリートでの生活を終えたタイミングで、ラップへと動き始めたんだ。けど、神様には感謝してる。ラップにフォーカスしたことが今日の俺自身を作り出しているからね。”
彼の作品のリリックは、高級アクセサリーや高級車について語るオーソドックスなフレキシンに加え、ドラッグというテーマも取り扱っている。まさに彼の生活そのものをリアルに表現しているのだろうが、近年多くの若手ラッパーたちがドラッグにより命を落としていることも事実だ。当の本人の危険という理由だけでなく、リスナーたちへの影響も考えなければいけないという意見も出ている。彼はドラッグとの付き合い方、そして作品においてドラッグというテーマを取り扱うことについてどのように考えているのだろうか。
“ ドラッグについてのラップは減らしていこうと思ってるよ。というのも俺は今まで、自分が摂取してもいないドラッグについてラップをしてきたから。俺がドラッグを摂取しているとみんなが思えば、みんなも「Lil Babyがやっているから」という理由で摂取してしまう。例えば、パコセット(鎮痛剤)とかね。俺はパコセットはやらないんだ。”
“ ドラッグを使ったんだ どう対処すれば良いかわからない
一つはハッキリしてる 俺が絶望することは絶対にないってこと – Woah “
彼はほんの数年間でラッパーとしての道を確立してきた。勿論、地元を代表するレーベルからのサポートは力強いものだが、実力が伴っていなければ、ここまで大きな人気を獲得することはできなかっただろう。デビュー以前に自身がラッパーとして活躍することを確信していたのだろうか。
“ 自分がラッパーになると思ったことはないね。俺はビッグ・ドッグ・ドープボーイだ。それだけだよ。ただのドープ・ボーイじゃない。俺がタトゥーを入れていないのはそれが理由さ。昔は金はなくなるものだと常に理解していたからね。「白人の目の前に座ったとき、タトゥーがあるのは嫌だ」と思っていたわけさ。それが今も続いてる。
もう牢屋に戻るつもりもない。絶対の自信がある。死んだほうがマシさ。刑務所でさえ俺を挫かせることはできないよ。けど心の中ではそんな風に考えるほど俺は馬鹿じゃない。昔を思い出して自分に言い聞かせてるね。絶対に帰らないよ。 ”
「金はなくなるもの」と常に理解し、ラップが上手くいかなければ、自分が自分が背負う責任や、養わなければいけない人のために9時17時の仕事もする覚悟ができていたと語る彼。その覚悟や、現実をシリアスに受け止める姿勢は彼がリリック中で「金」というテーマに執着していることにも繋がってくる。
(NY Times)
デビュー・アルバム『Harder Than Ever』、Gunnaとのジョイント・アルバム『Drip Harder』は大きな話題を生み、彼の代表作とも言える作品だろうが、セカンド・アルバム『My Turn』で彼はどのような変化、そして進化を見せたのだろうか。
“ 事実として俺は1年間作品をドロップしていなかった。今の俺は全く違うよ。この一年で本当に全てが変化したんだ。 ”
ニューアルバム『My Turn』は本日リリースされたばかり。アトランタのネクストスターが見せる「変化」とは何なのか。是非チェックしてほしい。
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