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Complex / David Cabrera

「Going Viral こそが俺のやり方」
Fivio Foreign が自然体でうみ出し続けるムーブメント

APRIL 26 2020

「Going Viral こそが俺のやり方だ 」

NY・ブルックリン出身のラッパーFivio Foreign(ファイヴィオ・フォーリン)は度々「Viral」という言葉を口にする。「バイラル・ヒット」という言葉はソーシャル・メディアの発展に伴い、無名からスターへの道を駆け上ることを意味するワードとして急激に用いられるようになった、そのワードこそが自身のキャリアを表すと彼は考えている。

Sheff G, 22Gz, 故Pop Smoke、そしてFivio の台頭によってブルックリン・ドリルの盛り上がりが最高潮に達しているのは紛れもない事実だ。Drake が昨年末リリースしたシングル“ War ”もドリル・ミュージックライクな作品になっており、シカゴ、UK、ブルックリンと極地的に発生してきたサウンドは世界に広がりつつある。

“ 俺は常にバイラルを手にしてきた。けどみんなに俺がバイラルな存在だと知られる前は、俺はフッドに住む普通の男だったんだ。- DJ Booth

“ 俺は常に音楽を作り続けてきた。地元のやつはみんなラップをしていて、俺も同じだった。- XXL

YouTubeで2600万回再生されることになる“ Big Drip ”のような作品が生まれるまで、彼はブルックリンに生まれ、ブルックリンに住む普通の「ギャング・メンバーの一人」だった。そんな大きなヒットを収めてからも、変わらず彼は常に自然体である。そのリリックで描かれる映画のようなストーリーは全て実体験をもとに綴られており、自身の過去、パーティからバイオレンスまで多岐にわたるテーマを元に「彼のありのまま」が展開されているのだ。

ストリートを生き抜くことのハードさ、貧しかった過去を語る彼の音楽は声なき声を代弁する音楽としてのヒップホップをまさに体現していると言えるだろう。

俺の生まれた場所じゃ 襲撃するか逃げるか 2つに1つだ
タフな現実さ お前は十分準備できてないみたいだな
もしあいつらから電話が来たら 早く逃げたほうがいいぜ – It’s Me

“ 俺は自分の経験をもとに曲を作ってる
俺の曲は全部本当のストーリーに由来するんだ – DJ Booth

“ プレッシャーはないよ。だって俺はありのままだから。
これが俺のやり方なんだ。そしてファンはそれを好いてくれる。だから自分のやり方を貫くよ。ベストを尽くして、それがバイラルになるように。 – DJ Booth

そんなFive の最新プロジェクト『800 BC』は過去作品で起こしてきたバイラルからなる高い期待に応える一作となった。

ピアノの旋律が特徴的なインストに刺すようなラップを乗せたオープニング・トラック“ Drive By ”で幕を開けた作品は、先行シングル“ Wetty ”や、Meek Mill, Lil Tjay をゲストに迎えた作品に続き、疾走感に包まれた“ Issa Vibe ”へ。ラストを飾るLil Baby、Quavoを迎えた“ Big Drip Remix ”もヒット・ソングに新たな彩りを添えている。

ドリル・ミュージックとは異なるジャンルからのゲスト参加が目立つ今作だが、Fivio は自身のサウンドを大きく変化させることはなく、むしろスター・ラッパーたちをドリルの世界に巻き込んでいる。メロウなサウンドを取り入れながらも、彼が自分のスタイルを貫き続けると宣言した一作だと言えるだろう。

『800 BC』は彼が瞬間的に引き起こしてきた「バイラル」はきっとこれからも続く。そう思わせてくれる一作になっている。ブルックリン・ドリルの中心人物であり、Fivio にとっても同業者以上の存在だったPop Smoke の思いを背に、彼はこれからもありのままの声で、ムーブメント、止まらない「バイラル」を起こし続けてくれるだろう。

“ Popの死の痛みはクレイジーだった。俺たちはずっと一緒だった。音楽よりももっと深い関係だった。- Complex

“ (Pop Smokeは)俺の本当に親しい仲間だった。ホーム・チームだ。あの事実に街全体が傷ついた。みんな彼の死を悲しんでいたよ。みんなはあの日からさらに努力することを誓ったんだ。そして兄弟たちを養うんだとね。- DJ Booth

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