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XXL

トラヴィス・スコット、現在目指しているゴールについて語り、自身が巻き起こす「Rage」の意味を明かす

JANUARY 02, 2020

12月27日、2019年も終わりを迎えようとしている時、テキサス州ヒューストン出身のラッパーTravis Scott(トラヴィス・スコット)は自身のレーベルCactus Jack(カクタス・ジャック)のメンバーたちと共にアルバム『JACK BOYS』をリリースした。

レーベルも取り仕切る彼が2019の終わりにXXLのインタビューに登場。最新アルバム、自身の成功と多くのファンを惹きつける「Rage – レイジ」について語ってくれたので紹介していこうと思う。

リリースしたばかりの最新アルバム『JACKBOYS』は彼が2017年から始動させた音楽レーベルCactus Jackに所属するSheck Wes(シェック・ウェス)やDon Toliver(ドン・トリヴァー)などのアーティスト / プロデューサーが参加したコンピレーション・アルバム。彼はどんな思いであの作品の製作に取りかかったのだろうか。

俺のニュー・アルバム『JACKBOYS』は俺たちの集団を表してる。Sheck Wes、Don ToliverやCactus Jack レコードに契約したアーティスト、カクタス・ギャング・フレンズの本物のメンバーたちだ。俺が音楽的に愛してて、尊敬してる人たちだよ。言葉で言い表すのは嫌いだけど、昔からずっと一緒に音楽を作ってた数少ない友人や人々との作品さ。
Don Toliverを知らないかもしれない人を気づかせたり、Sheck Wesを知っている人に彼のことをもっと知ってもらいたくてね。

アルバムには“ HIGHEST IN THE ROOM “も入ってる。あの曲は思い入れがあるし、パフォーマンスするのが好きなんだ。だからファンにも届けないとと思ってね。だってあの曲クソイケてるだろ。ファンもパフォーマンスを見れば無我夢中になるよ。

前作を出してから、自分や他の人へ提供するビートを忙しく作ってたんだ。だから最近になってまたビートを作り出してね。音楽を始めた時みたいにビートを作りたくなったんだ。楽しいしね。

最新アルバム『JACKBOYS』で彼は自身と比べるとまだまだ知名度が高いと言えない2人のラッパーたちのことをより多くの人に知らせる目的があったようだ。確かにDon ToliverはSheck Wesの” Mo Bamba “のような大ヒットは未だ納められてはおらず、まだその名を知らない人も多いのではないだろうか。

一方でインタビューに登場したトラヴィス・スコットはすでに大きな成功を手にしている。前作『ASTROWORLD』のリリース時には「Astroworld Festival」を開催、地元ヒューストンの市長から功績を称えられた。多くを手にした彼の現在のゴールとは一体何だろうか。

“ 俺は自分の「成功」を定めたくないんだ。俺はただ自分の信念を貫くのみだ。やってみるといつも驚くんだ。やればやるほどファンたちがそれを追い求めてくれるから。『Rodeo』から始まって、今もそれは続いている。

俺はただファンについてきてほしいのさ。それが全てだよ。ファンがいてくれるなら、俺はロックし続けるし。俺は自分の信念を貫き続ける。クールな曲を出して、みんながそれを気に入ってくれるのを祈ってる。
ジェイ・Zは俺のメンターなんだ。だいぶ昔に彼に会って、それ以来ずっと彼とは連絡を取り合ってる。
彼が言ってたんだ「俺たちは生まれながらにリッチだ。でも金は平等には配られはしない。精神がリッチだとしてもだ。俺たちは俺たちのコミュニティであるレベルまでの金銭を手にいれるためにトライしてる。」この言葉が俺の信念をさらに強めてる。

俺の信念(目標)全ての人に「声と機会」を与えることだ。もうすぐ2020年になる。俺は2012年に登場したから。俺の成功は一晩限りなんかじゃなかっただろ。デビューしてから、俺がずっとトライしてきたことをみんながどんどん理解してくれたような気がしてる。
もう今はクリエイティビティとデザインの問題だ、そしてこの人生で何ができるかの問題だよ。

自身の成功を定めず、「ファンがいてくれれば、ロックし続ける」「クールな曲を出して、みんながそれを気に入ってくれると祈ってる」という信念をメンターであるジェイ・Zからのアドバイスを貰いながら貫き続ける。
彼の紹介記事でも紹介したが、常にファンのこと、そして若者たちを想い続けている。特にライブ会場で若者をステージ上に上げる彼の姿は印象的だ。このインタビューでもライブのオーディエンスについて、ファンについて語ってくれた。

俺には色々な観客がいる。見た目とかじゃないぜ。何をレペゼン(表現)しているかだ。説教くさいけどさ。ライブの観客はまるで多様性の海さ。俺はいつもファンでみんなにこう伝えてる。「今観客たちはみんなここにいる。これが愛だ。これが一番大事なんだよ。」ってね。俺もみんなと一緒なんだ。

彼のライブでは貧富の差、出自の差、見た目の違いは全く関係ない。誰もそんなことは気にしていない。ただショーに来て、それぞれがそれぞれを解放するのみだ。
彼のショーは時に” 暴動 “とも表現されるほどの盛り上がりを見せる。彼自身はその盛り上がりを「Rage – レイジ」と表現しているが、このRageとは彼にとって一体どんなものなのだろうか。

俺はヒップホップや音楽に対しての自分の責任はこのRageを絶やさないこと。絶対にだ。人はこのRageを「攻撃」と捉えるかもしれないが、Rageは人の「怒り」を表すわけじゃない。俺にとっては「解放」だ。何よりも楽しい瞬間だよ。まるで土曜日に100ドルをピザ・ハットのためにママが置いていったときみたいだよ。親友を呼んで、好きなゲームやTV、家の食材も車も自由に使える状態で、運転も許されるんだよを。それって人生で最も最高な日だろ。マジかよって?夢にも見たガールに出会ったあの日さ。そういうのが最高な日だよ。Rageって俺にとってはそういうことさ。

彼はライブという多くの人が同時に一つの音楽を楽しむ特別な環境で、Rageを生み出す。そこに攻撃的な感情はなく、「解放」というワードで彼は表現している。実際に彼はその音楽、ライブによって多くの人の感情を解放し、時に人生までも変えて来た。彼はファンとの思い出を以下のように語る。

ファンと会話して、印象的な言葉や特別な言葉を沢山もらった。俺は多くのファンと語り合って来た。
思い出すよ、あるファンが人生の最悪なタイミングで俺のライブに来てくれた。
その時彼は俺のファンでもなんでもなかった。でもこう言ってくれたんだ。
「なぁ、俺は人生において最悪な場所にいた。あんたのミックステープを初めて聴いて、考えが変わったんだ。新しい人間になれたような気がした。」ってさ。こういう奴を尊敬してるよ。その出来事で、俺はひっくり返された。そんな風に言われてマジで驚いたんだ。そこで思った。「俺はマジで何かを起こしてる。これはマジだよ。」って。

俺はエゴがあるタイプじゃないし、「誰かになりたい」なんてのもないけど、父親をマジで尊敬してる。俺はいつも父親のようになりたいと思ってる。そして、それ以上にさ。父さんが俺にくれた一番のアドバイスがある。「自分らしくあれよ、そして” ウェブスター ”であれ。」

(XXL)

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