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JANUARY 11 , 2020
連載「BLOWING UP」。
「せっかく多くのアーティストを視聴できるストリーミング・サービスに登録しているのに、お気に入りのアーティスト、昔から聴いている曲ばかり聴いてしまっている…新しい、これから「来る」アーティストも発掘したい。」
きっと多くの人が同じことを考えていることだろう。
アーティストの視点に立ってもそれは同じだ。どれほどクールな楽曲・作品を発表しても、データの山の中に埋もれてしまって注目されないことは多々ある。
誰もが知っているわけではないが、今チェックしておきたい作品をリリースしている。そんなアーティストを紹介するのがこの「BLOWING UP」。
国内・国外、ジャンル問わずSUBLYRICSのオススメ・アーティストのプロフィール、オススメの楽曲を紹介していく。
(記事下にはプレイリストも載せているので、是非各ストリーミング・サービスに追加して、聴いていただけますと幸いです!)
テネシー州ナッシュヴィルに生まれ育った、シンガーBren Joy(ブレン・ジョイ)。
インターネット上には情報が多くないため、彼の詳しいバイオグラフィーは語れないが、彼は昨年、2018年に音楽活動をスタートした若者である。
リリースした年に3枚のシングル、翌年にデビュー・アルバム『Twenties』を公開。未だストリーミング・サービスには以上の作品が登録されているのみだが、一聴すればその才能に気づくだろう。
R&B、ヒップホップ、ジャズ、そしてゴスペルのサウンドを作品に織り交ぜ、流れるようなメロディを披露してくれる。
デビュー・アルバムでは、” Twenties “のような自身の20代を謳歌し、夏の思い出を語るような曲もあれば、” When Martin Died “のように、自身のルーツを振り返りながら神様への愛敬の念を語る曲もある。
そこにはナッシュヴィル出身の1人の若者の等身大の世界が美しく描き出されている。アルバムのジャケットのようにどこか懐かしい「ティーンエイジャーらしさ」を感じる素晴らしい作品だった。
音楽制作を始め、たった1年(ヴォーカルとしてのトレーニングをしていたのかもしれないが)でここまでのプロジェクトを作り出す彼の今後の活躍に期待したい。
トロント生まれ、カリフォルニア州サン・ディエゴ育ちのシンガーODIE(オディ)。
ナイジェリア人の両親を持ち、幼い頃からフェラ・クティ、サニー・アデなどのアフリカン・ミュージックを聴き育ってきたアーティストは、キッド・カディのようにローキーながら、メロディックに曲を歌い上げる。
実際にキッド・カディをお気に入りのアーティストの1人として挙げている彼の作品のリリックは、幻想的で彼ならではの世界観を表現している。
“ What if all this was a little lie?
What if all my sins never met a god?
Would you be prepared, would you be surprised?
Only then would you realizeもしこの世界が小さな嘘だったら?
もし俺たちの罪が神様に出会ったことすらなかったら?
全てがあらかじめ用意されていたら、君は驚くかい?
その時が来れば、きっとわかるよね – Little Lies “
世界中で注目を浴びているTay Iwar、Santi、Burna Boy、Odunsiなどのナイジェリア出身アーティストとは異なり、彼はあくまでアフリカン・カナディアンなわけだが、彼もフェラ・クティなどのスターを聴き育ってきたことには違いない。
偉大なアーティストたちに幼い頃から影響を受けてきた20代前後の世代である彼らの活躍がこれからも楽しみでならない。
UK・イーストロンドン生まれ、バーミンガム育ちのラッパーKofi Stone(コフィ・ストーン)をご存知だろうか。
同郷のロイル・カーナーや、エディ・スレイマンとも交友の深いラッパーは、自身の音楽はナズやコモンから影響を受けていると語っていることからもわかるようにBoom-Bapを軸に90年代のクラシックなヒップホップを継承したサウンドを見せる。
デビュー・アルバムとなる『Nobody Cares Till Everbody Does』は派手な仕上がりとはいえない。彼は自身の才能や、名声を誰かと比べることはせず、等身大の正直な想いをジャジーなサウンドに乗せ語り続ける。
“ I’m in some dirty Air Forces, keep it stepping until my mother pay the mortgage.
俺はこの汚いエアフォースを履き続ける。ママがローンを返済するまではさ。”
私たちに寄り添ってくれるような温かく、心地よい作品であり、この作品を機に今後さらに彼の人気は高まっていくだろうと確信させてくれた。エディ・スレイマンを迎えた” Talk About Us “がイチオシ。
(2019年のベスト・アルバム35 by SUBLYRICSからの紹介)
ロンドンを拠点に活動するラッパー / プロデューサーNix Northwest(ニックス・ノースウェスト)。
昨年10月にリリースしたデビュー・アルバム『Life’s A Bitch, I Just Need An Early Night』は全曲セルフ・プロデュースで製作されたプロジェクトだ。
ジャズ・ベースのサウンドに、ヘヴィーで正直な彼のラップはロンドンの思い曇り空が浮かぶ。
“ You know I like my time alone, especially when rain falls and Winter comes
Tired of this world I wonder do I need a different one
Do I need to change the way I see the place we live.俺が独りの時間が好きだって知ってるだろ。雨が降って、冬がやってくる季節は特にね。
この世界に疲れたんだ。だから違う世界がないかと空想してる。
俺たちが住むこの場所の見方を変えるべきかな。- I Just Need an Early Night “
ナイジェリア出身、現在22歳のシンガー / プロデューサーTay Iwar(テイ・イヴァル)は今年3月に自身3枚目のアルバム『GEMINI』をリリースした。
24位で紹介したサンティとも親交が深いアーティストは4・5歳からクラシック・ピアノの習い始め、16・17歳の時にすでにデビュー・アルバム『Passport』を全て自身の手で完成させるなど、アフロ・ビーツとR&Bを融合させたサウンドを22歳という若さながら完成させている。
(2019年のベスト・アルバム35 by SUBLYRICSからの紹介)
NY・ブルックリン出身のラッパーEli Sostre。
2016年に発表したデビュー・プロジェクト『Still Up All Night』が大きな評価を受け、XXLなどのメディアに取り上げられた彼。
2019年にはセカンド・アルバムとなる『Eros』をリリース、そのサウンドは過去のインタビューで彼自身が「真夜中のドライブ・ミュージックだ」と形容しているように、ラップとR&Bのちょうど中間地点で、もやのかかったような暗さを見せる。
トラップ・ソウルというジャンルを定着させたブライソン・ティラーのように、ミステリアスで空虚な空気感を醸し出しながら独特のグルーヴを作り出している。
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