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IV. Sweatpants

Because The Internet (2013) : Track 8

チャイルディッシュ・ガンビーノ (ドナルド・グローヴァー) が2013年にリリースしたアルバム『Because The Internet』は、19曲のトラックだけでなく、インターネット上に彼自身が記した「ストーリー」が執筆されている作品。曲と曲の間に、このストーリーが記されており、曲の理解を大きく助けてくれます。
この脚本では、自身の” オルターエゴ “とも言われている、裕福な青年” ザ・ボーイ “を主人公に物語が進んでいきます。


7曲目” Telegraph Ave “、そしてここまでのストーリーで、元彼女に振られてしまった、ストーリーの主人公” The Boy “が、オークランドのクラブに場所を移すシーンから始まります。
クラブの最上階に座った彼らに対し、「大した金を持ってないであろう若者の集団がやってきた」と思った店員は、ボトルを買う金なんてないと思っていました。しかし、ボーイはそのボトルを12本注文し、クラブは大騒ぎに。
このパートでは、彼ら、そしてボーイが、いかに金を持っているかを自慢しているシーンになっております。
(ビデオのプロデュースは盟友ヒロ・ムライ)


[Verse 1: Childish Gambino & Problem]
Watching haters wonder why Gambino got the game locked
へイターを見てる、何でガンビーノが売れまくってるのか不思議がってるよ

Half-Thai thickie, all she wanna do is Bangkok
タイとのハーフの彼女。彼女はただ、性欲を満たしたいみたいだ。
(Bangkokはタイの首都でもあります。二つの意味でかけています)

Got her hair done, French braids, now she A$AP
彼女は髪のセットを済ませてる。フレンチ・ブレイズ、もう彼女はA$APだな。
(ブレイズは、ドレッドなどの編み込みをする髪型。A$AP Rockyがしていることも有名)

Bino so insensitive, she asking “Why you say that?!”
ビーノは超無神経なんだ。だから彼女は言ってるよ「何でそんなこと言うの?!」ってさ

I’m chilling, real nigga feeling
俺はチルしてるよ、リアルな男の気持ちを味わってる

Rich kid, asshole; paint me as a villain
金持ちの坊ちゃんで、アホでいいよ、悪党って呼ばれようと上等だよ

Still spitting that cash flow – DJ Khaled
まだ金が宙を待ってるんだ – DJ Khaledみたいだな
(Ace Hoodの” Cash Flow “から。客演でDj Khaledが参加しています)

I got a penthouse on both coasts – pH balance
西にも東にも別荘を持ってる – phのバランスはピッタリさ
(“P”ent “H”ouseから。両海岸でバランスをとっていると)

Real nigga, I rep those, why though? ‘cause I said so
リアルな男だぜ、俺はその代表だね。何でかって? 俺がそう言ったからさ

Hip deep in that Pepto, I got five on her like Ben Folds
Peptoみたいにディープに挿れる、Ben Foldsみたいに彼女に500$あげるんだ
(Peptoはピンク色の胃薬。ピンクは性的な意味で用いられることが多いため、ここでは用いられています。
また、Ben Foldsは Ben Folds “Five”というバンドのリーダー。ストリッパーに金を投げ込むように、リッチな彼は、お金を女性に渡します)

I got more tail than that PetCo, you faker than some Sweet’N Low
俺はPetcoよりも人気があるんだぜ、お前はSweer”N Lowよりもフェイク野郎だよ
(Petcoはペット・フードなどを販売する会社。”人気 “の意味であるtailと、ペットの” 尻尾 “をかけています。
Sweet “N Lowはゼロカロリーの甘味料のこと。甘みを砂糖を用いずに作る、ある意味フェイクですね)

Yeah, you got some silverware but really are you eating though?
エイ、お前はシルバーの豪華な食器に囲まれてきたけど、本当に食えてるのか?
(裕福な家庭・環境で育ってきていても、本当の意味で、”消化・消費”ができているのか?という問いを投げかけています。単純に食事をするという意味ではなく、深く物事を考えることを表現しています)

Are you eating though? Nigga, are you eating though?
お前は本当に食えてるのか?なぁ、お前食えてんのかよ?

Breakfast, lunch, and dinner’s for beginners, you ain’t even know
朝食にランチ、ディナー、それは初心者向けさ。お前らはわかってないんだ

Never catching cases, why they faces look so E-M-O?
厄介ごとには捕まらねえぜ、何でお前らそんな” E-M-O “って顔してんだ?
(E-M-Oは感情的な表情のこと。ガンビーノの成功や、作品に感動している様子が表現されます。casesは厄介ごとと訳しましたが、睡眠という意味でも取ることができ、寝ずに働いている彼の努力が伝わってきます)

Watch a hater hate me, wanna play me like a piano
見ろよ、へイターが俺をヘイトしてる、俺をピアノみたいに遊びたいみたいだぜ
(演奏する・遊ぶ。と二つの意味でのplayを使っています)

My architect know Japanese, your girl, she jocking these
俺の頭には、日本人が入ってる。お前の彼女は、そういうものをバカにしてる
(彼の頭の中には、日本人が浮かびます。先ほどのラインから、Renzo “Piano”という銀座のビルをデザインしている建築家や、ビデオプロデューサーのヒロ・ムライのことでしょう)

No hands like soccer teams and y’all fuck boys like Socrates
サッカーチームみたいに、手を出さずにね。お前らファック・ボーイズはまるでソクラテスだよ
(手を出さない = 一度も試すことをしない。試す前に批判すると。ソクラテスはボーイズにも手を出していたと、されていますので、そのこと。)

You niggas ain’t copping these, niggas ain’t looking like me
お前らには得ることができないさ。お前らは俺には似ても似つかないから

Nah, I ain’t checking I.D. but I bounce ‘em with no problem
いや、別にIDをチェックしたわけじゃないよ。でもお前らは立ち入り禁止さ
(ID = 身分証のことですね)

Tell ‘em, Problem (Problem!)
伝えとくよ、それは” 問題 “だってね (問題なんだよ!)
(今まで、問題だとされていなかったことが” 問題 “なんだと指摘します。先ほどの食事についてや、ラップゲームに蔓延する空気感についてでしょう)

 

[Bridge: Childish Gambino & Problem]
I’m winnin’, yeah, yeah, I’m winnin’ (what?)
I’m winnin’, yeah, yeah, I’m winnin’ (what?)
I’m winnin’, yeah, yeah, I’m winnin’ (what?)
俺は勝ち組だぜ、エイ、俺はずっと勝ち組なんだ

Rich kid, asshole, paint me as a villain
リッチで、バカなやつさ、悪党って呼べばいいよ

 

 

 

[Hook: Problem]
Whaaat?!
Don’t be mad cause I’m doing me better than you doing you
Don’t be mad cause I’m doing me better than you doing you
Don’t be mad cause I’m doing me better than you doing you
怒るなよ。俺が、お前がお前を演じるよりも、もっと上手く俺を演じてるからってさ

Better than you doing you, fuck it, what you gon’ do? (whaaat?!)
お前より上手くやってんだ、クソだね、それで、お前はどうするんだ?

 

 

 

[Verse 2: Childish Gambino]
Different color, my passport; Instagram my stack load
俺のパスポートには、いろんな色が。インスタグラムには俺の財産が積んである
(色々な国の税関を通ると、その国々でスタンプをパスポートに押されます。その色の多さ = 行った国の多さを語っています。インスタグラムについては、金を持っていることを証明する投稿のことでしょう。多くのラッパーが行なっています)

Hashtag my day wear, and your girl drank my day care
「今日の服」でハッシュタグをつけて、お前の彼女は、俺のデイケアで酔っ払ってる

And I’m born rich, life ain’t fair – It’s silver spoon coon, ho
俺は生まれながらにしてリッチさ、人生って不公平だよな。シルバーのスプーンでクーンを食ってるんだ
(脚本の主人公・ボーイは裕福な青年だという設定から。バース1でもシルバーの食器は裕福な家庭の象徴として語られています。クーンはオーストラリアのチーズ食品のこと)

Ain’t nobody sicker in my Fisker, “vroom-vroom,” ho
誰も俺のFiskerみたいにはクールにいかないだろ、「vroom-vroom」ってな
(Fiskerはカリフォルニアの車のメーカーです。ハイブリッド車独特のエンジン音を立てることで有名)

Ain’t nobody—
誰もだぜ

(Fiskers don’t make noise when they start up, just so you know)
(Fiskerはスタートする時は音を立てないんだ、お前にはわかるよな)
(リッチならFiskerの車を買う余裕があるよな?という問いかけです。彼は今本当のリッチなので高級車を買うことができますが、フェイクな金持ちに、お前らは本当に買えるのか?と問いかけているんですね)

Top of the holy totem
俺はまさに神聖なトーテムの頂点なんだ

R-r-r-rich forever, a million was not the quota
永遠にリッチなんだ、100万$は手取りのハナシで

My father owned half the MoMA and did it with no diploma
俺の父さんはMoMaの半分を所有してる、それも高卒でだぜ
(金持ち自慢は続きます)

Year off, got no rules, tripping off of them toadstools
一年のオフさ、ルールは無し。あいつらはマッシュルームでトリップしてる
(彼はアルバムのリリース前、鬱の症状に苛まれます。そんな彼は自分を解放するためにルールに縛られず、自分がルールとなることを決めています)

More green than my Whole Foods and I’m too fly, Jeff Goldblum
Whole Foodsよりも緑だらけだぜ、飛び過ぎちまったよ、Jeff Goldblumみたいだな
(Whole Foodsはオーガニックのスーパーマーケットですが、彼の言う” 緑 “はマリファナのこと。Jef  Goldblumは1986年の映画” The Fly “の主演を務めた俳優)

Got a glass house in the Palisades, that AKA
パリセーズの超豪華な家を手に入れたよ、これはいわゆる
(パリセーズはハワイの地名で、EP『Kauai』のトラックタイトルにもなっています。彼は『Because The Internet』の撮影をするためにバスケットボール選手のChris Boshから豪邸を借りていますが、その家のことでしょう)

White hood, white hood; O-KKK
白人の住処だな、白人の住処さ、KKKだよ
(White hood = 白人の住むところ。White hood = 白のフード。二つの意味で用いられていますが、後者の意味では、KKKが浮かんできます。KKKの前にOがついているのは、” Okay-kay-kay “というLil Scrappyの” Money In the Bank “というヒット曲から引用しています)

Furniture custom, you shop at IKEA
家具だって特注品さ。お前らはIKEAでショッピングだろ
(IKEAでチープな家具しか買えないだろという意味ですね)

Show Maserati, you whipping a Kia
マセラティを見せつけるよ、お前はKiaに乗ってるけどさ
(Kia Motorsのこと。価格には多きな差があります)

Spending this money, it’s longer than Nia
この金を使い切るには、Niaよりも長くかかるだろうな
(女優のNia “Long”のこと)

Live like a Coppola, me and Sofia
Coppolaみたいに過ごすんだ、俺とSofiaでね
(フランシス・フォード・コッポラのこと。映画監督でハリウッドで大成功を納めています。その彼の娘の名前はSofiaです)

Waking up broke, man, wouldn’t wanna be ya
朝目覚めたら一文無しになるなんてさ、お前みたいになりたくないよ

Friends with the dopeman, help a nigga re-up
ドラッグ・ディーラーとも友達なんだ、あいつがクスリを補充するのを手助けしないと

Bring a girlfriend, man, trouble when I see her
お前の彼女を連れてきてくれよ、俺が彼女に会っちまったら、トラブルになるだろうけど
(リッチな彼と出会ってしまうと、浮気をしてしまうと)

“Err-eh-err-eh”, onomatopoeia
“Err-eh-err-eh”ってさ、オノマトペだよ
(別の男の彼女との浮気を音で表現しています)

Oh, I got my cool on! (tailor-made!)
あぁ、俺はクールは服着てるだろ!(オーダーメイドさ!)

I’m winning so they had to dump the Gatorade
俺は勝ち続けるんだ、そしたらみんな俺にゲータレードをぶっかけないとな
(アメフトなどで、ゲータレードなど飲み物のバケツをコーチにかけるのは恒例です)

And I don’t give a fuck about my family name!
家族の名前だなんて気にしねえ、クソくらえよ!

 

 

 

[Hook: Problem]
Whaaat?
Don’t be mad cause I’m doing me better than you doing you
Don’t be mad cause I’m doing me better than you doing you
Don’t be mad cause I’m doing me better than you doing you
怒るなよ、俺が、お前がお前を演じるよりも、もっと上手く俺を演じてるからってさ

Better than you doing you, fuck it, what you gon’ do? (whaaat?!)
お前より上手くやってんだ、クソだね、それで、お前は何ができんだよ?


NEXT : ” Screen Play 2-4

 

BECAUSE THE INTERNET
ALL STORY (SCREEN PLAY) & ALL SONGS

 

SCREEN PLAY (STORY) PART 1

Ⅰ. Crawl

SCREEN PLAY 1-2 

Ⅱ. Worldstar

SCREEN PLAY 1-3

Dial Up (No Lyrics)

Ⅰ. Worst Guys (Feat. Chance The Rapper)

 

 

SCREEN PLAY PART 2

Ⅱ. Shadows

SCREEN PLAY 2-2

Ⅲ. Telegraph Ave.

SCREEN PLAY 2-3

Ⅳ. Sweatpants

SCREEN PLAY 2-4

V. 3005

 

 

SCREEN PLAY 3

Playing Around Before Party Starts (No Lyrics)

Ⅰ. The Party

SCREEN PLAY 3-2

Ⅱ. No Exit

SCREEN PLAY 3-3 (Death By Numbers)

 

 

Ⅰ. Flights Of The Navigator

SCREEN PLAY 4

Ⅱ. Zealots Of Stockholm

SCREEN PLAY 4-2

Ⅲ. Urn

SCREEN PLAY 4-3

 

 

Ⅰ. Pink Toes

SCREEN PLAY 5

Ⅱ. Earth: The Oldest Computer (The Last Night) (Feat. Azelia Banks)

SCREEN PLAY 5-2

Ⅲ. Life: The Biggest Troll (Andrew Auernheimer)


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