BECAUSE THE INTERNET SCREEN PLAY PART1-2
” Ⅰ. CRAWL ” TO ” Ⅱ. WORLDSTAR “
【室内・ボーイの部屋・早朝】
[VISUAL]
部屋は見事なまでに散らかっている。そこかしらにモノが散乱しているが、全てがそこに落ち着いている。
クラシックな家具、誰かが先祖の金を使って買ったんだろう。ベッドもデスクも、デスクに備わったイスも全部アンティークだ。積み上がったゴミの多さから、この部屋の持ち主が、コンピューターの前で多くの時間を費やしているのが見てとれる。
デスクにはクマの形をしたグミの空袋が山になり積み上がっている。
” hackz “と書かれたUSBドライブの横には、ボーイと彼の父親が写った写真。
小さなヴェイポライズ (吸引器) は充電が満タンになり、緑の光を放っている。半オンスのウィードが入ったプラスチックの入れ物がノートパソコンのすぐ隣に置いてある。
白黒のBill Withersのポスター、Gorillazの” Demon Days “、” Black Dynamite “のポスター。どれも全て額に入れてある。
積み上がったレコードは壁に沿うように積み上がり、70sの古いソウル・レコードもレコード・プレイヤーの上に積み上がっている。一番上にはNoeman Connorsの” You Are My Starship “が。
汚れた服が、床から壁にかけて小さな山を築いている。そこには同じように靴も積み上がっている。壁の汚れた箇所もその部分だ。
クローゼットは真っ白のシャツと、花柄の短パンでいっぱいだ。
その右手に、かなり古びたボロボロの羊毛のコートが1着だけ掛けられている。
ボーイ (もう” 男性 “と呼ぶべきだろう)はベッドに大の字に横になっている。シャツも花柄の短パンも履いていない。
微かながらに目を開けると、ブラインドから薄暗いオレンジの光が彼の顔を突き刺した。彼は目覚める。
【室内・リビング・昼】
またブッダの像だ。
バーには空のビール瓶と、ペレグリーノ (炭酸水) のボトルが。
リビングの外壁は全てガラス張りになっている。ボーイは颯爽とキッチンまで歩いていく。
【室内・キッチン・昼間】
キッチンは少しだけ散らかっている。昨日のまま片付けられていないのだろう。
スモアが作りっぱなしだ、マシュマロは石のように硬い。
ボーイは戸棚を開き、ポップ・タルトの取り出し、そのままレンジに放り込んでいる。タルトは袋に包まれたままだ。 (本来はそうするべきではない)
彼はレンジのボタンを押し、携帯で誰かにメッセージを送りはじめた。
レンジは5秒ほどで音を鳴らし、中で青い光がはじけた。
彼はレンジの電源を切り、中を開いた。ポップ・タルトを手に取り、皿に開けている。
【外・庭・早朝】
海と山々を背に地平線を無限に続いていくプール。その中央にある島を彼は歩く。
山々は雲に包まれている。文字通り「雲の上」にあるワケだ。おそらくあそこでは雨が降っているんだろう。
西側の外壁にはレモンとプラムが成る木々が植えてあり、更にはゴルファーを象った緑の銅像まで建っている。
裏庭の芝生にはウサギが跳ねている。
ボーイは日傘の下で座っている。ポップ・タルトの封を開け、口にし始めた。彼は無表情で遠くを見つめている。
彼にメッセージが届いた :
FAM : 海に行こうぜ (紫の悪魔の絵文字)
ボーイは返信を送る: 「迎えに来てくれよ」
時は経って》
【外・マンションの玄関口・朝】
古びた、レッド (全体が赤・薄色) のマツダがマンションがブレーキ音を立てて、玄関の前に停まった。
ファムが車から降りて、二人で手を合わせる。
FAM : お前の車で行こうぜ
ボーイ : いや
FAM : おいマジかよ?お前俺の車でドライブしたいってか?止めたほうがいいぜ、マジな話、ママが乗ってた時こいつ一回壊れてんだよ。しかもさ…「俺の車」って感じに見えちゃうだろ?
ボーイ : いいだろ、こっちの方が目立たないし
FAM : なぁ頼むよ、誰から隠れてんだ?そんなのイケてないだろ。
イケてるのはお前の車さ。なんでそんなこと気にすんだよ?
「…なんでそんなことを気にする?」
ボーイ : そうだな
【室内・ガレージ・朝】
ガレージのドアが上がっていき、ファムとボーイにそのシルエットを顕にする。
ガレージには5つの車がある。テスラのモデルS、シルバーの911 (ポルシェ)、誰も見たことのないような車もある。
タホ (シボレー)と何台かはシートを被っていて、アストン・マーチンのように見える。ファムは笑顔だ。
FAM (誰も見たことのない車を指差して) : あれだな…
ボーイ: 嫌だね
ボーイ: ビマー (BMW) だよ
私たちには見たこともない車だ。ガレージの一番端に停まっている。イケてる車だ。
かなり古そうだが、綺麗でツヤがある。それでいて上品な感じだ。
フロント部分の黒の塗装が少し欠けている。ファムは首を振って、
FAM : まぁ、しょうがないな
二人は911 (ポルシェ)に乗り込んだ
時は経って》
【外・サンタモニカのマンション・昼】
911が複雑な高級住宅街に停まった。ファムがクラクションを鳴らした。あいつは無神経なところがある。
窓からの声: 夜勤だったんだよ、アホ野郎!
FAM : 知ってるよ!文句あるか?
ファムは重ねてクラクションを鳴らした
ボーイはツイッターのフィードをチェックしている。
ツイッターのユーザー名は 「You Are Unimportant(お前は必要とされてない) – @thegoldmolar(金の歯) 」。
つぶやきを見れば、彼が常に誰かをバカにしているのがわかるだろう。政治家、アスリート、その他も。
彼のお気に入りは、誰かの発言をただリツイートするだけだ。
もしツイートが「バカだな」と思ったら、ただリツイートする。それが彼のお気に入りだった。
その方法で彼は多くのフォロワーを得ていた。一度ブログの記事にして文章を書けば、フォロワーが更に増えた。
それ依頼、彼は” ホームレスの人々 “や” 喧嘩 “の動画を投稿し始めた。
彼はタイム・ラインの中からリツイートするネタを探していた。
人はいつもバカな発言を繰り返す。
…誰かがツイートしていた「roscoe’s wetsuit」
「…何だこれ?」
ボーイはグーグルに「roscoe’s wetsuit」と打ち込んだ。
「Yahoo知恵袋」が表示され、こう質問されていた「roscoe’s wetsuitって何?」
…「roscoe’s wetsuitさ」という回答。面白い。
SWANK、STEVE、MARCUS (チャンス・ザ・ラッパー)、そしてAJ (ステファン) がマンションから出てくる。
ロングボードを持って、キャンディを食べている。
道の途中で、911を目にして彼らは歩みを止めた。
SWANK (ボードを持って) : どうやってこれ入れるんだよ?
FAM : お前らも車出せばいいだろ
STEVE : お前ら板はどうしたんだよ?どこにしまってんだ?
FAM : 貸してくれよ
全員が顔を見合わせた
SWANK : そしたらもっとデカい車がないとな。お前ん家まで行って、タホ (シボレー)を取ってくるよ
ボーイ : お前ら頼むよ、永遠に終わらねえ
AJ : どこに行くんだ?
FAM : ドッグヴァイラーだな
MARCUS : 前に俺が「オムツ」の中を泳いだ場所だな
(海の汚さを表現しています)
FAM : ” 俺は最悪な奴だ。汚い水の中でしか泳がないしさ!わかるだろ! “
再び、窓からの声 : おいクソ黙りやがれ!
ファムがクラクションで返事をする。
SWANK : 俺はポルシェ(911)が来た道を帰るんだぜ、苦痛だよ。
スワンクとスティーブは車が泊めてある通りまで歩いて行く。
ボーイ : 「roscoe’s wetsuit」ってどういう意味だ?
FAM : なんだそれ
車が発車する
【外・ドックヴァイラー・ビーチ・昼】
男たちは砂浜を歩き、海までボードを担いでいる、彼らの通る道は変わった跡がついていく
彼らはキャンプを設置して、ビーチを行き来している
MARCUS : 誰かが女の子を連れて来てると思ってたよ
ボーイ : こんな早い時間に連れて来てもって感じだろ
MARCUS : 白人の子にもちゃんとナンパしたか?
THE BOY : ああ、全員に聞いたよ
FAM : おい嘘つくなよ、お前誰にも聞いてないだろ。ここから出てないんだから
STEVE : なんで白人なんだ?
MARCUS : だって誰も朝6時に起きて、このクソ寒くて、クソ汚い海に入らないだろ、髪の毛もめちゃくちゃになるし
その瞬間、彼らは全員、海の中でボードの上に座る一人の女性に気づいた。
波を待っている彼女の背中を見ている。彼女は黒人だ。
MARCUS (重ねてAJも) : 見たかよ?これが「ドニー・ダーコ」が俺にも起こるってことだ。
(2001年のSF映画『ドニー・ダーコ』。主人公はグレッチェンという引っ越しして来た女の子と交際を始めます)
飛行機が俺らの頭の上を低空を飛んでるな。 (ドックヴァイラーはロサンゼルス空港のすぐ近くだ)
(『ドニー・ダーコ』では飛行機のエンジンが主人公の家に墜落するシーンがあります)
MARCUS (続けて) (飛行機をじっと見つめながら) : 絶対に落ちてくるぞ。
SWANK (女の子を見つめている) : マーメイドを見てるみたいだな。
STEVE : マナティーかもしれないぜ。
(マナティー = ジュゴンに似た哺乳類動物。マーメイドのような美女かもしれないが、実は違うかもしれない)
MARCUS (R. ケリーのように) : 俺は女たらしだから〜♪
(R.Kelly ” I’m Flirt “から)
マーカスは板を持って、水辺まで走って行く。みんな彼について行く。
【外・海・朝】
マーカスが板に乗って、女の子の元へと泳いで行く。
MARCUS : 調子はどうだい。
女の子 : ハイ。
MARCUS: マーカスっていうんだ。
SASHA: サシャよ。
MARCUS: 今日は良い感じだね。
SASHA (オーストラリアのアクセントで): そうね、まあここに来る理由は、それ以外ないし。
MARCUS: おぉ、オーストラリア人なのかい (一息おいて) 『カンガルー・ジャック』見たことあるかい?
(2003年公開のコメディ映画)
SASHA (彼の方を見ずに): あるわよ。
MARCUS: クラシックだよな。
SASHA: …何?
MARCUS (特に意味もなく、真剣そうに): マジで傑作だよな。
沈黙。サシャは気まずそうにしている。ボーイを除いた全員が、泳いで到着した。
STEVE (サシャに。息を切らして): ハイ。もうマーカスとの会話は終わっちまったのかな?
SASHA: そうよ。
スティーブがマーカスをからかう。
スワンクが4本葉っぱの入ったプラスチックの袋を出して、1本取り出した。火をつけて、口に挟みながら会話をしている。
SWANK: どのくらいサーフィンしてるんだい?
SASHA: 10年くらいかな。あなたは?
SWANK: 1ヶ月とかだよ。
AJ: 警察はここまで来ないからね。吸うにはもってこいの場所だね、君もいる?
彼が手渡すと、彼女も火をつける。
SWANK: 今晩は何してるんだい?
SASHA: 友達の誕生日をサンタ・モニカで祝うの。
MARCUS: おいおい、俺たちと近いじゃん。今夜うちのマンションでパーティするんだけど、おいでよ。
女も男友達もウィード持ってるなら、一緒に来てもいいし。
AJ: 俺もDJするからさ。Jodeciからスタートして、90sラップにスイッチさ、” Dream Lover “を切り替わりで使って、” リアルなアトランタ・トラップ “を1時間か1時間半流すんだ。そっからmotown(デトロイト)のソウルにハウスって感じでさ。
女の子たちも超盛り上がるよ。
SASHA: DJネームは何て言うの?
AJ: Twerculesさ。” DJ “表記なしで、” Twercules “だけ。タンブラーにミックス載せてるしね。
どんどん有名になってるとこさ。君は初めて見るけど、歌手?モデル?それとも女優かい?
SASHA: もう行くわね
サシャは水を漕いで、波をキャッチしに行った
AJ: 「ビッチ」って言ったのはミスだったな
MARCUS (考えながら): …言ってないぜ
AJはまだ考えている。恐らくこの発言は、彼のことを最も明確に表している。彼が思っている以上に。
【外・ビーチ・朝】
サシャがビーチまで板を運んでいる。ボーイはずっと座っている。
SASHA: あなたは入らないの?
THE BOY: まだわからないね
SASHA: じゃあなんでウェットスーツ着てるのよ
…ロスコーのウェットスーツ…
THE BOY: みんな着てたからかな
SASHA: 酷い理由づけね
彼女は歩き始めた
THE BOY: パーティにおいでよ、きっと楽しいから。(もし来れるなら) 招待するよ、どうだい?
SASHA: どこでやるんだっけ?
THE BOY: [edit] まあ連絡してよ [edit]
SASHA: 覚えとくわ、何人か友達も連れてくわね
彼女は歩いて行った
夜になって 》
*******[ここで ” WORLDSTAR “を再生 ]*******
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Dial Up (No Lyrics)
Ⅰ. Worst Guys (Feat. Chance The Rapper)
Playing Around Before Party Starts (No Lyrics)
SCREEN PLAY 3-3 (Death By Numbers)
Ⅱ. Earth: The Oldest Computer (The Last Night) (Feat. Azelia Banks)
Ⅲ. Life: The Biggest Troll (Andrew Auernheimer)
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