Juice Wrld : Instagram
DECEMBER 9 , 2019
12月8日、日本時間では12月9日に差し掛かろうとしていた時、ラッパーのJuice Wrld(ジュース・ワールド)が急逝したとの速報が入り込んできた。
Juice Wrld(本名:Jarad Anthony Higgins)は1998年生まれの21歳、イリノイ州シカゴ出身のラッパー。
12月2日に誕生日を迎えたばかりの彼は今年11月26日に2度目の来日を果たすなど、「ついこの間、彼の姿を見たばかりなのに」という日本のファンの方々も少なくないだろう。
CNNによると「シカゴ・ミッドウェー国際空港に到着後間も無く、彼は苦しみ始め、近くの病院に駆け込んだが、到着後すぐに亡くなった。」とし、詳細な死因について病院側は「未だ医師により調査中」であると報じた。亡くなった原因が何であれ、21歳という若さでその才能を遺憾無く発揮し、多くのファンたち、多くの若者たちに影響を与えてきた彼のようなラッパーが亡くなった事実に世界中が衝撃を受けた。
Lil Peep(リル・ピープ)、XXXTentacion(XXXテンタシオン)など20歳前後のラッパーたちが毎年のように亡くなっている現実は本当に受け入れがたい。鬱屈とした感情、心の不安、メンタルヘルスをテーマにする、いわゆる「エモ・ラップ」のジャンルを代表する3人のアーティストたちが、これほどまでに短期間で連続してこの世を去ってしまった。
ファンだけでなく、多くのラッパーたち、アーティストたちが彼に愛を込め追悼を捧げている。
上述のように「エモ・ラップ」と呼ばれるジャンルは失恋、鬱、心の不安をテーマにしたラップのことを言うが、彼の活動、音楽を続ける目的がそのリリックで描かれている内容に限るかと言えばそうではなかった。彼は明らかに自分以外の誰かに影響を与えることを一つの目標としていたように思う。
チャリティライブ・イベント「Beat of My City」に出演したジュース・ワールドは、「正直に自身の感情を表現する」ことの重要性を地元・シカゴの若者たちに語っていた。
彼自身も参加していた「100 Black Men in Chicago」というシカゴで開催されるアフリカン・アメリカンへの教育の機会を高めるプログラムの若者たちへ、彼は自身の成功を経て、アドバイスを送っている。
” シカゴで育って俺は教わったんだ。どこで生まれようが、本気になれば何でもできるって。“
GQのインタビューでは、若者たちに選挙での投票の重要性を語るなど、ただ音楽で自己を表現するだけでなく、その重要性や、地域への還元、政治についての呼びかけを積極的に行う彼の姿が非常に印象的だった。
コミュニティや世界中の若者たちに希望を与え、自己表現の重要性を説く存在を失う影響は本当に大きい。しかし、彼を失くした今、彼がどのような活動をしてきたか、どのような想いでマイクを握っていたのかを少しでも多くの人に伝わることを願うのみだ。
現時点では速報的な情報のみが出揃ったのみで詳しいことはお伝えできなかったが、彼へのリスペクトを込め、当メディアでは今後も彼の想い、彼が残したレガシーについて伝えていければと思う。
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