Fire Squad
Album : 2014 Forest Hills Drive
Track : 6
Year : 2014
Produced by : Vinylz
5曲目” A Tale of 2 Citiez “では、コールの地元ファイエットヴィルが二つの視点から描かれ、犯罪に手を染めて、生きていくことに、幸せなゴールは見出せないと語られていました。
6曲目” Fire Squad “は、ここまでの3・4・5曲目のように青年時代を思い返したり、地元のことを思ったりする曲ではなく、ラップ・ゲームで頂点を取った現在のコールの視点から描かれた一曲。
自信満々でラップ・ゲームのキングになったことを主張する一方で、「誰がラップ・ゲームの一番なのか論争」について彼がどのように考えているかが伝わって来ます。ラッパーたちにとって本当に必要なのは、他人と比べられて、「誰が一番なのか」というゲームに参加することなのか。という問いがリリックの終盤で語られます。
ジャスティン・ティンバーレイク、エミネム、マックルモア、イギー・アザレアなど白人シンガー・ラッパーの名前が登場することにも注目です。
[Hook]
Nigga why you actin’ like a ho?
なぁ、お前なんでビッチみたいなことしてんだ?
Know that I’ma ride for ya, either way it go
お前がどっちに行こうと、俺はお前の上を行くんだ、わかってるだろ
Tell me, girl why you be stressin’ me for time?
ガール教えてくれ、なんで俺の時間を切りつめるんだい?
When you tell me you love me, can’t you see I’m tryna climb?
「お前のこと好きだぜ」って偉そうにしてたけど、俺が登りつめてたのが見えなかったのか?
Damn my nigga why you actin’ like a bitch?
クソ、なぁ、なんでお前ビッチみたいなことしてんだよ?
If you scared to take a chance, how the fuck we gon’ get rich?
チャンスを掴み取るのが怖いなら、どうやってリッチになるってんだよ?
Come here baby why you always insecure?
ちょっとこっち来いよベイビー、何がそんなにいつも不安だっていうんだよ?
(友人を” ガール・ベイビー “と呼んでいるのは、まさに友人の自信のなさの表れですね)
Hold on tight to a nigga and be sure
俺に掴まってな、しっかりしろよ
[Verse 1]
Ain’t a way around it no more, I am the greatest
回りくどい話はもうやめようぜ、俺が最強さ
A lotta niggas sat on the throne, I am the latest
何人ものラッパーが王座に腰をかけてきた、俺の番ってワケ
I am the bravest, go toe to toe with the giants
しかも一番勇気ある男だ、巨人とだって面と向かって戦ってやるよ
I ain’t afraid of you niggas, I’ll end up fading you niggas
お前らなんて恐くねえんだ、最後に消えるのはお前らの方だよ
‘Fore it’s all said and done, this nigga need medicine
この曲が終わるまでに、お前らクスリが必要なんじゃないか
(ラッパーたちが、彼のラップに怖気付いて不安になるからですね)
My uzi, it weighed a ton, I need me a better gun
俺のUziは重すぎるから、もっと良いやつが必要だな
(Public Enemyの” Miuzi Weighs a Ton “から。” Uzi “はマシンガンのこと)
In fact I just might need two, cause niggas say they the one
実際のハナシ、2丁必要かもな、だってあいつらみんな自分は1番だって言い張るだろ
(1番だと言い張る人がたくさんいる = 2丁必要。もしくは、ラッパーたちの楽曲の一曲一曲に登場する銃が一丁ずつであることから)
And I got something to prove
じゃあ俺が証明してやるよ
Forgive me lord here they come, BLAOOW
神様許してくれよ、あいつらがここに来たら、俺、BLAOOWってヤっちまうからさ
[Hook]
Nigga why you actin’ like a ho?
なぁ、お前なんでビッチみたいなことしてんだ?
Know that I’ma ride for ya, either way it go
お前がどっちに行こうと、俺はお前の上を行くんだ、わかってるだろ
Tell me, girl why you be stressin’ me for time?
ガール教えてくれ、なんで俺の時間を切りつめるんだい?
When you tell me you love me, can’t you see I’m tryna climb?
「お前のこと好きだぜ」って偉そうにしてたけど、俺が登りつめてたのが見えなかったのか?
Damn my nigga why you actin’ like a bitch?
クソ、なぁ、なんでお前ビッチみたいなことしてんだよ?
If you scared to take a chance, how the fuck we gon’ get rich?
チャンスを掴み取るのが怖いなら、どうやってリッチになるってんだよ?
Come here baby why you always insecure?
ちょっとこっち来いよベイビー、何がそんなにいつも不安だっていうんだよ?
Hold on tight to a nigga and be sure
俺に掴まってな、しっかりしろよ
[Verse 2]
My inhibition’s fighting my intuition
心を抑える気持ちが本能と戦ってる
(冷静な彼と、ラップゲームで王座を取りたい・他のラッパーを打ち負かしたいという本能が戦っていると)
Premature premonition, showing me the demolition
安易な憶測は、破滅を招くことになるぜ
Of these phony niggas, so ahead of my time
お前らインチキ野郎のことだよ、俺は時代の先を行ってんだ
Even when I rhyme about the future I be reminiscing
未来についてライムする時だって、懐かしい気分だよ
(未来の先に行っている彼は、まだ起こっていないことすら、過去のことのようだと)
You want the truth well come and listen
真実が知りたいのか、じゃあこっちに来て聞け
I’m like that time you bagged a dime and checked ya phone and saw it was a number missing
残念だな、女から電話番号もらって、かけてみたらその番号、偽物だったみたいな感じだなお前
As fate passes you by, half of you try
運命は容赦無く来るぜ、半分のやつは試すだけ
The other half of you fry, too high to actually fly
もう半分は成功して飛べる、けど高すぎて落ちちまう
(” イカロスの翼 “のように高すぎても、失敗してしまうと)
One day y’all have to decide, who you gon’ be
いつかお前らみんな心を決めなきゃならない、自分が何者になるかをさ
A scary nigga or a nigga that’s gon’ rule like me
ビビり野郎か、それとも俺みたいに支配者になるか
Keep it true like me, Cole you might be
俺みたいにリアルでいろよ、そしたらお前もコールみたいになれるかもな
Like the new Ice Cube, meets the new Ice-T
まるで新しいIce Cubeみたいだろ、それか新しいIce-T
Meets 2 Live Crew, meets the new Spike Lee
2 Live Crewか、それとも新しいSpike Leeって感じかな
(2 Live Crewはフロリダのラップクルー。ちょっと下品な感じのイメージです。
Spike Leeは映画監督ですね。数々の名作を生んでいます)
Meets Bruce like Wayne, meets Bruce like Lee
Bruceって言っても、Wayneみたいでもあるし、Leeみたいでもあるんだ
(Bruce WayneとBruce Leeのこと。二人の特性を兼ね備えていると。
Bruce Wayneは映画版バッドマンの主人公役の彼ですね)
Meets ’02 Lil Wayne, in a new white tee
2002年のリル・ウェインみたいだろ、ピカピカの白いtシャツを纏ってさ
(ウィージーの全盛期ですね)
Meets KD, ain’t no nigga that can shoot like me!
KDみたいだろ、俺みたいにシュート撃てる奴なんかいねえんだ!
(KD = Kevin Durant。NBAプレイヤー、ケヴィン・デゥラントのことですね
バスケのシュートと、発砲 (ラップ) をかけています)
BLAOOOW!
バァアン!
[Hook]
Nigga why you actin’ like a ho?
なぁ、お前なんでビッチみたいなことしてんだ?
Know that I’ma ride for ya, either way it go
お前がどっちに行こうと、俺はお前の上を行くんだ、わかってるだろ
Tell me, girl why you be stressin’ me for time?
ガール教えてくれ、なんで俺の時間を切りつめるんだい?
When you tell me you love me, can’t you see I’m tryna climb?
「お前のこと好きだぜ」って偉そうにしてたけど、俺が登りつめてたのが見えなかったのか?
Damn my nigga why you actin’ like a bitch?
クソ、なぁ、なんでお前ビッチみたいなことしてんだよ?
If you scared to take a chance, how the fuck we gon’ get rich?
チャンスを掴み取るのが怖いなら、どうやってリッチになるってんだよ?
Come here baby why you always insecure?
ちょっとこっち来いよベイビー、何がそんなにいつも不安だっていうんだよ?
Hold on tight to a nigga and be sure
俺に掴まってな、しっかりしろよ
[Bridge]
(Who’s the king?)
(誰がキングなんだ?)
Came from the bottom nigga, with stains on my shirt
底辺から這い上がって着た、シャツを汚しながらな
What you expected from me, I came from the dirt
お前俺がどうなると思ってたんだ、泥から這い出てきた俺がさ
(Who’s the king?)
(誰がキングか?)
Money my motivator, the songs that I sing
金が俺のモチベーションさ、俺の歌う曲の原動力
Picture a peasant passin’ from pawn to a king
田舎者がチェスの「歩」から「キング」になるのを思い描いてさ
(Pから続く言葉が、4つ続いています)
You tell me ya still love me, if so then let me go
「俺のことがまだ好きなら、好きにやらせてくれよ
Will I return or will I burn, never know
ここに帰ってくるか、自分の身を焼く結果になるか、そんなのはわからないけど」
(作家シェリリンケニヨンの有名な言葉)
Look in my eyes and see the future
俺の目を見れば、未来が見えるだろ
But don’t sugar coat it
それみて嘘言うんじゃねえぞ
[Verse 3]
Listen…
聞けよ
History repeats itself and that’s just how it goes
歴史は繰り返す、そうやって進んでくんだ
Same way that these rappers always bite each others flows
あいつらラッパーが、同じフロウを使い回すのと一緒さ
Same thing that my nigga Elvis did with Rock n Roll
エルヴィスがロックン・ロールでやったことと、一緒だな
(エルヴィス・プレスリーのこと)
Justin Timberlake, Eminem and then Macklemore
ジャスティン・ティンバーレイク、エミネム、あとマックルモアもな
(白人シンガー・ラッパーがブラック・ミュージックをやっている代表例です)
While silly niggas argue over who gon’ snatch the crown
アホな黒人たちがグチグチ言い争ってるよ、誰が王冠を手に入れるのかってな
(誰がNo.1ラッパーなのか。という論争ですね)
Look around, my nigga, white people have snatched the sound
おい、よく周りをみてみろよ、白人に音楽ごとかっさらわれてるじゃねえか
This year I’ll prolly go to the awards dappered down
今年は、グラミーにでも行ってやろうかな
Watch Iggy win a Grammy as I try to crack a smile
イギーが賞を取ってるのを見て、バカ笑いしてやるよ
(イギー・アザレアは白人ラッパーですね。実際には受賞しませんでした)
I’m just playin’, but all good jokes contain true shit
ちょっとからかっただけさ、でもこのジョークには本当の事実も含まれてるよな
Same rope you climb up on, they’ll hang you with
お前らが登るために使うそのロープは、お前らの首を吊るためのものでもあるのさ
(黒人たちが音楽で登りつめても、結局は、歴史と同じように白人に首を吊られる結果になるかもしれないと)
But not Jermaine, my aim too sick
でもジャーメインはちげえ、俺の狙いはもっとデかいんだよ
(彼の本名はジャーメイン・コール・ラマー)
I bang nigga, I came to bring the pain my brain too quick
俺がぶっ壊してやる、お前らに痛みを与えてやるよ、俺の頭の回転は超速えからな
(ラップ・ゲームごとぶっ壊してやると。その後のラインは2Pac ” Bring the Pain “からの引用)
You see how I maneuver this game, I ain’t stupid
俺がこのゲームをどう操作するか見ときな、俺はアホじゃねえから
I recognize that life is a dream, and I dream lucid
「人生は夢」だってわかったよ、だからこそ俺はハッキリした夢を描いてる
(17世紀のスペイン人劇作家ペドロ・カルデロンから引用。彼が知識人であることを表現しています。
人生が夢であることがわかっても、彼はそこから現実的で、具体的な夢を思い描きます)
And break the chains and change minds
鎖を断ち切って、1バースごとにマインドを変えてさ
(鎖は彼自身のこれまでの人生という意味)
One verse at a time, and claim 2-6
2-6だって声高々に宣言してやるよ
(2-6は彼の地元ファイエットヴィルのニックネーム)
And fuck it, if the shoe fits, who’s the king?
見せてやるよ、靴がピッタリだったら、誰がキングなんだって?
(” If the shoe fits, wear it “という言葉通り、王冠は彼のものだと)
[Outro]
We all kings
俺たちみんながキングだぜ
(We all kings nigga)
(俺たちみんなキングなんだ)
Kings of ourselves first and foremost
俺たち一人一人の中にキングはいるのさ
(True)
(そうだろ)
While the people debate who’s the king of this rap game
人々が誰がラップゲームの王様かって話してる間に
Here comes lil’ ol’ Jermaine
来ちまったんだ、ジャーメインがな
With every ounce of strength in his veins
そいつ身体の全ての力を出し切って
To snatch the crown from whoever y’all think has it
誰もが認めるキングから王冠を勝ち取ったのさ
But rather than place it on his head as soon as he grabs it
でも彼は王冠を掴んでも、すぐに被ろうとはしなかった
Poof, boom, paow, it’s like magic
バーンって、まるでマジックみたいにさ
With a flash and a BANG the crown disintegrates
光とバンッって音と共に、王冠は粉々になっちまったんだ
(彼は王冠を手に入れて、自分がキングになったのを自慢するのではなく、その王座ごと壊したと)
And falls to the Earth from which it came
生まれたこの地球の大地に帰って行ったのさ
It’s done
これで任務完了だろ
Ain’t gonna be no more kings
もうキングはいなくなった
Be wary of any man that claims
でもそんな時、一人の男が不安がりだした
Because deep down he clings onto the need for power
だって心の奥底で、そいつは権力にしがみついてたから
(夢にまで見たラップゲームの頂点は、誰にだって簡単に手放せるものではありません)
The reality, he’s a coward
本当は、彼は臆病者なんだ
Ultimately he’s scared to die
究極を言えば、彼は死ぬのを恐れてる
And sometimes so am I
俺だって時々そう思うよ
But when I’m in tune with the most high
でも神との調和が合ったとき
I realize, the fear lies in my lack of awareness of the other side
気づくんだ、恐怖ってのは俺の無知から来てるんだって
Today I know that we are the same, are the same, you and I
今日俺は知った、俺たちみんな同じなんだって、俺ら一緒なんだよ、君も俺もさ
Different kind of skin, different set of eyes
肌の色が違えど、物事の見方が違ってもさ
Two different minds, but only one God
違うマインドを持っててもさ、神は唯一の存在なんだ
(It’s only one God nigga)
(神は一人しかいないんだ)
It’s for all the kings
この曲はキング全員に捧げるよ
Cause I know deep down every poet just wanna be loved
だって俺は知ってるから、詩人たちは心の奥底では、ただ愛されたいだけなんだって
(ラッパーたちにとって、本当に重要なのはただ愛されることであり、他人と比べられ、キングが誰かなど本当はどうでもいいんだと)
『2014 Forest Hills Drive』
1: Intro (2014 Forest Hills Drive)
2: January 28th
3: Wet Dreamz
6: Fire Squad
7: St.Tropez
8: G.O.M.D
10: Hello
11: Apparently
12: Love Yourz
13: Note To Self
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