ALL ARTIST'S ALBUM COVER
NOVEMBER 17 , 2019
Written by OKYM
Edited by SUBLYRICS
SUBLYRICSの新連載 / 特集「BLOWING UP」がスタート。
聴ききれないほどの大量の作品が溢れかえる現在、ニューリリース、アップカミングなアーティストの全てを追うことは難しい。
「メインストリームを追いたい。昔ながらのお気に入りの曲だって聴きたいし。これから” 来る ”アーティストもディグしたい。でも中々そんな時間はない。」
きっと多くの人が同じことを考えていることだろう。
アーティストの視点に立ってもそれは同じだ。どれほどクールな楽曲・作品を発表しても、データの山の中に埋もれてしまって注目されないことは多々ある。
誰もが知っているわけではないが、今チェックしておきたい作品をリリースしている。そんなアーティストを紹介するのがこの「BLOWING UP」。
国内・国外、ジャンル問わずSUBLYRICSライターのオススメ・アーティストのプロフィール、オススメの楽曲を紹介していく。
初回に加え、読者のOKYM様に寄稿いただいた紹介文をこの「Vol. 1.5」では掲載。ラッパーとしても活動されているOKYM様(@YR950908)が今注目するアーティストを紹介してくれた。
是非 BLOWING UP (Vol. 1) – 今チェックしておきたいアーティストとはと合わせてチェックしてみて欲しい。
アメリカ、ジョージア州アトランタ出身のラッパーTony Velour(トニー・ベロア)。
昨年リリースしたシングル” Pull Up “はジャンルレスなサウンドで話題を集め COMPLEXの今年6月のBest New Artist にも抜擢された。
そんな期待の中、今年9月リリースされたアルバム『Vices Hurt』は” Pull Up “同様、プロデューサーにLAを拠点に活動するDylan Bradyを迎えた” Wild “や” Do or Die “などはジャンルレスなサウンドで、アルバム全体を通してもその声やリリックはナチュラルで非常にスムースな仕上がりになっている。
日本で撮影された” Wild “のMVは、スーツを着たトニーが夜の渋谷をアルコール片手に遊び歩いている様子が映し出されている。
“ We oughta stop wasting time I’m just tryna change your life Say we wildin’ travelin’ through the night “
「俺たち時間を無駄にするのはやめよう。俺は君の人生を変えようとしてるんだから。
俺らは派手に夜を過ごすんだ。- Wild 」
スーツを着てストロング片手に遊んでいる様子は我々日本人にとって何か刺さるものがあるのではないか。あるいはベロア自身が日本人の様子を見て悟ったのかもしれない。
そのタイトル通り、ベロアは夜の街を派手に楽しむことをやめない。
” Momma’ said don’t go outside There’s wolves lurkin’ through the late night Feelin’ like I got a safe light These demons ain’t finna take mine “
「ママは外に出るなって言うんだ 外には狼が一晩中潜んでるってな。安全な光を得た気分だったよ。あの悪魔たちには俺のものを奪うことはできない。 – Wild 」
” Wild “は2019年でも多くの人のアンセムになっていることは間違いない。
先日来日公演も果たしたアリゾナ出身のヒップホップトリオInjury Reserve(インジュリー・リザーヴ)とも共演を果たすなど、これから確実にスターダムに登る彼の曲を是非聴いてみよう。
1998年5月12日、アメリカ/デラウェア州ブリッジビルに生まれ、育ったラッパーLil West(リル・ウエスト)。
未だラップスターを排出していないアメリカで2番目に小さな州、デラウェア州の小さな町に生まれた彼は一体どんな音楽性を持っているのだろうか。
現在21歳のリルウェストは自身が生まれ育った街ブリッジビルについて、
” 周りには人があまりいない。
静かでゆっくりとしている、やることはあまりない。“
と語る。しかし、ミレニアム世代に生まれた彼は、幼い時からすでにインターネットと共に生きてきた。
2015年にSound Cloud(サウンドクラウド)でEP『INDIGO』を発表しキャリアをスタート。
必ずしもヒップホップ/ラップがホットではない静かな街に生まれた彼は、インターネットを通して、そのチャンスを掴み取った。
彼はその後、Nomad Music Groupと契約し、21Savage(21サヴェージ)、Rich The Kid(リッチ・ザ・キッド)、Allan Kingdom(アラン・キングダム)、Night Lovell(ナイトローヴェル)などの有名アーティスト達とのコラボレートを行うことになる。
リルウェストは多くのプロデューサー陣、クリエイター達と繋がりを持っており、今現在彼をサポートしているプロデューサーはTake a Daytrip、Nodachi、Distance Decay、Osno1など多岐にわたる。
彼はサウンドクラウドからこの繋がりは生まれたものだと語っている。
” サウンドクラウドは俺のホーム・ベースのようだった “
そんなサウンドクラウドでキャリアを築いてきた彼はアンビエント、エモといったジャンルに大きく影響を受けており、これらの影響を受けた楽曲が多く見受けられる。
彼が数多くのジャンルをインターネットでディグし始めたのは、父からの言葉がきっかけだったようだ。
” 父が言ったんだ。「ラップはかっこいい、しかし他の好きなジャンルも見つけるべきだ。ラップ以外にもいい音楽はあるよ。」ってね。 – Noisey “
彼の音楽に対するアプローチはインターネットというホーム・ベース、そして周囲の人間からのアドバイスで今までにない方向へ彼の音楽を動かしている。
“ I’m makin’ my way back now, ‘cause I been away outta town I’ll see you in the morning, I’ll see you in the morning We’re seein’ the same old crowd, I’m stuck in the same old town I know it gets boring, I know it gets boring”
“今戻るところだ、町を離れていたからな。
朝になったら会おうぜ、俺は今も同じ集団の中にいる。
いつもと同じこの古い町に留まり続けるんだ。退屈になるのはわかってるけどね。- Barn ”
父親などに影響され、従来聴いていた音楽とは異なるジャンルを取り入れた彼の音楽性はダークであり混沌としながらも、愛に満ち溢れている。インタネットの世代を象徴するような彼の音楽がデラウェイ州を地図に乗せることができるだろうか。
まずは今年リリースされた2枚のEP『Vex Part.1』、『VexPart.2』を是非チェックしていただきたい。
『Vex Part.2』から” Hot Sauce “のMVもアップロードされているのでそちらも要チェックだ。
今回記事を寄稿いただいたOKYM様はラッパーとしても活動している。今回紹介された二人のアーティストがハマった方は是非彼の SoundCloud から音源もチェックしてみて欲しい。
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