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【INTERVIEW】ブロックハンプトン、『GINGER』のアルバム・ジャケットに込めた想いを語る

SEPTEMBER 1 , 2019

8月23日、グループとして5枚目のアルバムをリリースしたボーイズ・バンドBROCKHAMPTON (ブロックハンプトン)
新木場スタジオコーストでの単独公演や、サマーソニックへの出演、そのパフォーマンスの評価によって、日本での人気をさらに高めている彼ら。

先日リリースしたニューアルバム『GINGER』は、彼らが自身の感情と向き合い、心の奥に潜む声を音楽に込め表現された作品だった。
中でも2018年に性的虐待の疑惑から脱退したAmeer Vannに関して綴ったものや、愛を追い求める彼らの悲痛な思いなど、非常にパーソナルなリリックが含まれていた。

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そんなニューアルバムのアルバムカバー・ジャケットには、朝方に二人の男性 (?) がハグをする写真が用いられている。


手前の男性は、ブロックハンプトンのメンバー、Joba (ジョバ) のようにも見えるが、なぜこの写真をジャケットとして採用したのだろう。
今回は、そんなアルバム・ジャケットに込められた意味合い・思いについて GENIUS  がインタビューを行なっていたので、紹介していきたいと思う。

ROB MARKMAN (インタビュアー: 以下Rob) :
ーー アルバムのジャケットに写る人は誰なんだい? 何を表現しようとしたの?

HK :
あれは「心を打ち明けた男」なんだ。
あのジャケットでは「誠実さ、人間の弱さ」を表してる。でもそれだけじゃなくて、あのジャケットは多くの解釈ができるんだ。
良い感情だけじゃなく、色々な感情が砂のように入り混じってる。そんな複雑で荒れ果てた心を意味していると思う。
でも俺たちは「受け入れ難い別れ」みたいなものを表現しようとはしていたかな。

Rob : 
ーー なるほど。確かに面白いのが、このアルバムを10回とか繰り返してようやく、あのジャケットの意味がわかる瞬間が来るような気がするんだ。

HK :
そうだね。最初はよくわからなくても、このアルバムを聴いている途中に、携帯の画面に映るジャケットを見れば「なるほど」ってわかるはずさ。
写真に関しては直感で決めた部分はあるけどね。みんなでアドリアン (カメラマン) の撮った写真を見てたんだ。あれはどこだっけ?

一同 : 
オスロ!ノルウェー!

Merlyn Wood : 
これ誰だっけ?

Kevin Abstarct : 
(笑)

HK :
ウェス (クリエイティブ・アシスタント : Weston Freas) と ジョバだよ。みんなウェスをジョバの兄弟かなんかだと予想してるみたいだけど、あれはクリエイティブチームのメンバーなんだ。
クールな写真だった。

Kevin : 
それで言うと、あの写真はただクールなだけじゃない。あの写真には大事なストーリーがあるんだ。

HK : 
そう!ストーリーがあるんだ。ただ俺はその場にいなかったから具体的な話は知らないけど、みんなで出かけたんだよな?

Kevin : そう。あの夜は本当に大事で、かなりヘビーな話し合いをしてたんだ。何時間もね。
結局喧嘩になって、お互い涙を流してた。

Joba : 
そのタイミングで美しい朝日が昇ってきたんだ。

HK : 
確か朝の6時だっけ。

Kevin : 
そう。夜が明けたくらいに、その喧嘩は二人のハグで終わりを迎えた。その二人がウェストジョバだったんだ。
その瞬間をアドリアンがカメラに納めてくれた。アルバムのコンセプトにも合っていたしね。

Joba : 
まず写真の構成が本当に美しいんだ。色合いもね。

HK :
俺は未だに何が合ったか知らないけどね (笑)

Dom McLennon :
俺とHKと、あともう一人いたかな?は、その夜出かけなかったんだ。だから朝起きて、階段を下に降りたら、出かけてた奴らがみんな下の階にいてさ。「なんだこれ。どうなってんだ?」って感じだったよ(笑)

HK : 
喧嘩するほど緊迫する場面があったってわかって、最終的にはお互いが納得したこともその場で話したね。

いかがだったろうか?
アルバムのジャケットに映った二人の男性はメンバーのジョバ、そしてクリエイティブチームのメンバー、ウェスの二人の姿。
この写真はアルバムのコンセプトから計算して作り上げたものでなく、製作を行う上で、偶然納められた写真だったようだ。

また、この写真はただ美しいだけでなく、お互いの思いを正直にぶつけあい、相反するお互いの思いを理解しあうことができたというストーリーが込められている。

彼らはこの作品『GINGER』を通して、自身の持つ「不安」や「脆さ」を語っている。
しかし、そんな思いを正直にぶつけることができたのは、ブロックハンプトンという居場所を見つけたからだ。ぶつかりながらもそれぞれの思いを正直に吐露したオスロの明け方を写した一枚はきっと、そんな彼らの「葛藤」「正直になることのできる居場所」を象徴的に表しているのだろう。

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