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Pilot Jones

Album : Channel Orange
Track : 8
Year : 2012
Produced by : Shea Taylor

2012年リリース、Frank Ocean (フランク・オーシャン)のデビュー・アルバム『Channel Orange』から8曲目 ” Pilot Jones “を紹介します。

この曲のタイトル” Pilot Jones “はアメリカで1997年公開の映画『love jones』から引用したものだと思われます。アメリカに住むアフリカン・アメリカン同士の恋愛がこの映画では描かれております。
リリック中でフランクは一人の女性との恋愛関係を語っています。しかし、この二人の関係性は「普通」とは呼ぶことはできない、「ドラッグ・ディーラー同士の恋愛」という特殊なモノでした。彼女はフランクの運ぶドラッグを使用していることがリリックからは理解できます。

また、” Jones “というワードは、ジョーンズという名前だけでなく、何かを夢中にさせたり、中毒になるほどに魅力的な存在を意味する単語でもあります。彼女はフランクの運んだドラッグで「ハイ」に、フランク自身はそんな彼女からの「愛」に夢中になり、高く、高く「ハイ」になっているという描写があります。そんなフランクにとって彼女はまさに” jones “な存在だったわけですね。
もうお分かりかもしれませんが、タイトルの” Pilot “は飛行機のパイロットを意味しています。フランクを空高く「ハイ」にしている彼女は、まるでパイロットのようである。という意味が、この” Pilot Jones “というタイトルには込められているわけですね。


[Intro]
We once had things in common
俺たち色々な物を一緒に共有してた

Now the only thing we share is the refrigerator
それが今じゃ一緒に使ってるのは冷蔵庫くらいだよ

Ice cold, baby, I told you, I’m ice cold (Ice cold!)
アイス・コールド、ベイビー言ったよね、俺はアイスみたいに冷たいんだ (アイス・コールド!)
(” Cold “と” Cool “と言う意味にも捉えられますので、冷蔵庫の冷たさのようなクールさを彼は持っていると)

You out here flyin’ high (High)
君はここから飛び出して、高く飛んでいく (高く)

Go head, fly that thing!
もっと高く、飛び越していくんだ!

High, high, yeah
高く、高く、エイ

But fly alone
でも飛んでいくのは、一人っきりさ

 

 

[Verse 1]
You always smokin’ in the house
君はいつも家の中で吸ってるよね

What if my mother comes over?
もしママが入ってきたらどうするんだい?

You can’t get up and get a job
君は起き上がって、仕事を見つけることができない

Cause this little hustle’s getting you by
だってこのハッスルが君の近くにいるから
(ハッスル = フランクのこと。彼が届けるドラッグを彼女は使っています。フランクが養っている、ドラッグに溺れて普通の仕事ができていないことが浮かびます)

You’re the dealer and the stoner
君はディーラーでもストーナーある
(ディーラー= 売人、ストーナー = 使用者)

With the sweetest kiss I’ve ever known
俺の知ってる限り、一番スイートなキスは君となんだ
(いつも葉っぱ・ドラッグを吸引している彼女とのキスはスイートなんだと)

 

 

[Chorus]
I know what I was on
俺はわかってるんだ

I had a Pilot Jones (What you know about it?)
俺はパイロット・ジョーンズと一緒だったって (君に何がわかるんだい?)
(この曲中ではフランクの「彼女」がこの存在に当たります。曲中では飛行機が飛ぶ効果音も入っています)

She took me high (Oh, did she now?)
彼女は俺をハイにしてくれた (それで今は?)

Then she took me home (We talkin’ ‘bout)
そしたら彼女は俺を家に連れ帰ったんだ (話してるとこだ)

Pilot Jones, Pilot Jones
パイロット・ジョーンズ、パイロット・ジョーンズ

 

[Verse 2]
Tonight she came stumblin’ across my lawn again
今夜彼女は俺の家の庭を震えながら歩いてきて

I just don’t know why I keep on tryin’ to keep a grown woman sober
俺はわからないんだ、なんで俺はこの大人の女性から酒やドラッグを取り上げようとしてるのか

See there you go reachin’ up your blouse
見ろよ、君はブラウスに手を伸ばしてる

And no I don’t want a child
だけど俺は子供が欲しくないんだ
(ここで、女性は大人になりきることができていません。彼は大人として対応していますが、彼女に子供でいることを求められているように見えます)

But I ain’t been touched in a while
しばらくずっと会ってなかったよな

By the dealer and the stoner
ディーラー、そしてストーナーとしては

With the sweetest kiss I’ve ever known, ever known
俺の知ってる、一番スイートなキスは君とした、あのキスだから
(ローリン・ヒル” The Sweetest Thing”を引用していると思われます。『love jones』の主題歌はローリン・ヒルが務めています)

 

 

[Chorus]
I know what I was on (Ever known)
俺はわかってるよ (知ってんだ)

I had a Pilot Jones (What you know about it?)
パイロット・ジョーンズと一緒だったって (君に何がわかるんだい?)

She took me high (Oh, did she now?)
彼女は俺をハイにしてくれた (それで今は?)

Then she took me home (We talkin’ ‘bout)
そしたら彼女は俺を家に連れ帰ったんだ (話してるとこだ)

Pilot Jones, Pilot Jones
パイロット・ジョーンズ、パイロット・ジョーンズ

 

 

[Verse 3]
In the sky up above, the birds
空高くには、鳥たちがいて

I saw the sky like I never seen before
俺は今まで見たことのない物のように、空を見てた

You thought I was above you
君は俺が「上」にいたと思ってるだろうけど

Above this in so many ways
ここで言う「上」っていうのは色んな意味でさ

But if I got a condo on a cloud
でももし家が雲の上にあったら

Then I guess you can stay at my place
そしたら君も俺の居場所にい続けられるよね
(彼女はドラッグ中毒なので「ハイ」でい続けなければ、苦しいというわけです)

I’ma get one
きっと手に入れるよ

I need ya
君が必要だから

Admit it
認めるよ

You’re my Pilot Jones
君が俺のパイロット・ジョーンズだってね


Channel Orange

Artist : Frank Ocean
Release Date : July 10, 2012

1: Start (No Lyrics)

2: Thinkin Bout You

3: Fertilizer

4: Sierra Leone

5: Sweet Life

6: Not Just Money

7: Super Rick Kids (Feat. Earl Sweatshirt)

8: Pilot Jones

9: Crack Rock

10: Pyramids

11: Lost

12: White (Feat. John Mayer) (No Lyrics)

13: Monks

14: Bad Religion

15: Pink Matter (Feat. Andre 3000)

16: Forrest Gump

17: End


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