GENIUS
SEPTEMBER 11 , 2019
カリフォルニア州オークランド出身、ポートランド・トレイルブレイザーズに所属するNBAプレイヤー、そしてラッパーのDamian Lillard (ダミアン・リラード)。
リーグを代表するポイントガードで、新人王にも選ばれているスタープレイヤーは、ラッパー Dame D.O.L.L.A. (デイム・ダラ) としても活動しており、最新アルバム『Big D.O.L.L.A.』を含め3枚のアルバムをリリースしている。
アレン・アイバーソン、シャキール・オニール、クリス・ウェバーなど既にNBAプレイヤーがラッパー・ビートメイカーとして活躍するケースもあり、文化的にもヒップホップとバスケットボールは切っても切れない関係性にある。2チェインズがアルバム『Rap or Go to the League』でアフリカン・アメリカンは「ラッパーになるか、NBAプレイヤーになるしかない。」と語ったように、アメリカでは多くのアフリカン・アメリカンがその二つの道を追っている。
音楽的なセンスや、ラップのスキルはあっても、NBAプレイヤーという「肩書きありき」のアーティストなのでは?と思う方もいらっしゃるだろうが、彼のラップスキルはこちらのフリースタイルを見ていただければよくわかるだろう。
そんな二つの夢を成し遂げたダミアンがラッパー、デイム・ダラとして Genius の インタビューに出演、8月にリリースしたアルバム『Big D.O.L.L.A.』、NBAプレイヤーとラッパーを両立することについて語ってくれた。
インタビューで彼は
「最初のアルバム (『The Letter of O』)は、よりストーリーテリングに重きを置いたアルバムだった。俺をテレビで見たり、アスリートとして俺のことを知ってくれている人に、コートの外の自分を紹介するつもりだった。
2作目 (『Comfirmed』)は色々なことに挑戦した作品だった。クラブでかかるような曲を作ろうぜって色々な人に言われたりもあってね。
今回の作品 (『Big D.O.L.L.A』)はより「俺がやりたいこと」を表現したものになってる。
俺が変わってないことを伝えたかったんだ。昔のように同じものを使ってるし、昔と同じ友達と、同じ家族が周りにはいて。今の人生そのものを伝えてる。」
とニューアルバムについてコメント。
また、非常に多忙なアスリートとして「いつ製作を行うのか?」という質問に対しては
「シーズン中は一切レコーディングの類は行わないよ。飛行機に乗っている時とかにリリックを書いたり、メモをしたり、ビートを聞いたりはするけど、スタジオに入ることはないね。
夏の間に製作をして、シーズンに入ったらそこに集中してる。」
と、バスケットボールプレイヤーとラッパーとの両立、バランスを語ってくれた。
その楽曲制作のレベル、ラップのスキルからメジャーレーベルとの話も上がったが、彼は数少ない仲間たちとインディペンデントを貫くつもりだという。
リル・ウェイン、ジェレマイなど錚々たる面々をアルバムに迎え、NBAプレイヤーという肩書きがなくとも十分ラッパーとして通用する作品が「シーズンオフ」という限られた時間の中で作られているのは非常に興味深く、誰にでも真似できることではないだろう。
裕福な家庭とは言えない環境で育ち、ウィーバー州立大というほぼ無名の大学で実力を発揮。NBA入りを果たしスタープレイヤーになった彼は、
「自分は苦労したバックグラウンドがあるから、どんな困難があっても乗り越えられる。」
と語り、その思いや、周囲への感謝をアスリートとしてだけでなく、言葉をラップに乗せ伝えてくれている。
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