GENIUS
JULY 31 , 2019
2019年XXLのフレッシュ・マンにも選出されたノースカロライナ・ローリー生まれ、メリーランド州育ち、YBN Nahmir擁するYBNクルーのメンバーでもある若手ラッパー YBN Cordae (コーデイ) が先日デビュー・アルバム『The Lost Boy』をリリースした。
J.コール、プシャ・T、テラス・マーティンなど錚々たる面々を客演・プロデュースに迎えたアルバムは、チャンス・ザ・ラッパーのデビュー・アルバムに劣らない大きな話題を呼んでいる。
今回はそんなデビュー・アルバムについて Genius のFor The Recordというコーナーで語った思いについて紹介していく。
・アルバムのコンセプト、一曲一曲のテーマ、リリックの背景について
ROB MARKMAN : アルバムをリリースしたばかりだけど、実感は湧いてきた?
「俺は夢の中を生きてる」って、どんな時に実感するの?YBN CORDAE : どうだろうな。俺は常に次を考えてるんだ。もう既に次のプロジェクトに動き始めてるし。あぁ、でも昨日の夜思ったよ!
おばさんから電話が来て、出たら、俺をジミー・フォロンの番組で見たって言うんだ。その時は「マジかよ」って思ったね。R : 特に君にとって家族はこのアルバムでも大事なテーマだよね。
Y : ああ。その通りだね。
R: アルバムのコンセプトを教えてくれるかい?
Y: このアルバムのコンセプトは、「ジャーニー」さ。
俺は自分が目的を発見できずに彷徨っているような感覚を感じてた。このアルバムでは俺のストーリーを語ってる。まさに” ロスト・ボーイ ” のストーリーさ。このアルバムは一つの「大きな道筋」のように構成されてる。
だからその旅路の最初が1曲目の” Wintertime “ってわけなんだ。この曲では俺のバックグラウンドが描かれてるだろ、この曲は旅の出発を意味してる。2曲目は” Have Marcy “だ。
この曲は旅路のセカンド・ステップ。家から出て道を歩き始めると、地獄の炎に包まれた気分になるだろ。
地獄の炎まではいかなくても、「人生のクソみたいな部分」のことだよ。わかるだろ?その次に” Bad Idea “。
この曲はもともと “ Never Went Home “ってタイトルで呼んでたんだ。家から出て、まだ歩いている途中だけど「絶対に家には戻らないぜ」って決意を表してる。
どこかから飛びてて、夢を追いかけてる時って、そんな感じだろ。次に” Thanksgiving “だ。
これは自分の家と家族について歌った曲。この曲の後が” Rich Nigga Problem “だから、旅路の途中で新たな問題に直面したってところ。
その後が” Broke As Fuck “。
この曲でもまた異なる問題について語ってる。R : そこで君は既にお金を手に入れていたけど、一文無しだった頃の自分を見失ってないんだよね。
Y : まさにそのとおりだよ。
次のトラックは” Thousand Words “。
ソーシャルメディアとかについて語ってる。その後に” Way back home “さ。
旅路が最後に近づいて、そこで気がつくんだ「そもそも何が一番大事なのか」ってね。
原点に帰って考えるのは、まるで家に帰るのと似てるだろ。そのあとに” Grandma House “がくる。
俺の実の祖母に感謝を告げてる。そして” Been Around “。
落ち着いた曲で、自分を見つめ直す、そんな楽曲さ。わかるだろ?そしれ最後の最後に、”We Gon Make It “ “Lost & Found “がくる。
“We Gone Make It “は自分を鼓舞するような曲だよ。ここまでずっとやってきたけど、そんな過去の話はクソだって感じでさ。こっからもっと動いて、成功するんだって曲。
そして最後の曲はセレブレーションだ。つまりこのアルバムは全体を通して、クソデカい旅を描いてる。ロスト・ボーイのジャーニーさ。
R : Wintertimeについて話すよ。
プロジェクトの最初の曲な訳だけど、君も言ったように、自分が何者か。俺たちが知る前の君はどんな人だったかが語られているよね。
この曲には、「客にポテトをサービスであげてた」なんてラインもあるし。
君はTG で働いてたんだね。Y : そうだよ。フライデイズさ。
そのラインはまさに「リアルなライン」だよね。
前菜を頼んだ客に、チキンをサービスで出したりさ。たとえほんの少しの量でも、俺にできることをすれば、みんないい気分になってくれるだろ。人を少しでも幸せにできるんだ。
ほんの少しのチキンを出しただけかもしれないけど、彼らの笑顔を見てみなよ。マジで幸せそうな顔してんだ。
それで客も「こいつ最高だよ」って言ってくれる。
小さい声で言うけど、チップ狙いだったのもあるよ(笑)。R : でもそれがハッスルだよな(笑)
Y : このアルバムを出す前のシングルとかでは、ストーリーを語ることはできなかった。でも今回はそれができたと思う。
・客演・プロデューサーとのコネクションについて
R : じゃあ君のコネクションについて話させてくれ。
J.コールとは彼の” 1985 “に対して君はリアクションをしていたと思うけど、どんな風な経緯で彼が” RNP (Rich Nigga Problem) “をプロデュースすることになったんだい?
Y : あの1985へのアンサーは、反論であってディスじゃない。俺は違う観点から物事を語ったんだ。
彼が何本かビートを送ってきてくれたんだ。俺の地元はノース・カロライナだし、コールも同じだろ。
そこで繋がってたんだ。
だから「ビートが欲しいんだ」って彼に言ったんだよ。彼はプロデューサーとして過小評価されてると思ってたし。しかもコールのビートはレアだろ。だからそう言う意味でもドープだしさ。R : でもあのフリースタイル(1985)の後に二人で連絡は取ったのかい?
Y : もちろんさ。彼は優しく愛を示してくれたよ。番号を教えてくれて、連絡をくれた。
R : じゃあ、プシャ・Tとの”Nightmares Are Real “についても教えてくれる?
彼は、最も偉大なMCの一人だよね。
どうやって彼と繋がったんだい?Y : もちろんそうだね。
プシャは俺にいつも好意を示してくれた。
一曲レコーディングしてて、その曲を聴いてて思ったんだ。「おい、この曲プシャにぴったりだな」ってさ。あのビートにはダークネスな雰囲気があるし、ストーリーの雰囲気もあってると思った。
だからFacetimeをかけて、彼にこの曲の背景とかを説明したんだ。
そしたら「わかった、やってやる」って言ってくれてさ。
その後2時間後にバースが送られてきたよ。
俺マジで「おい、プシャ・Tのバースを2時間で手に入れちまった」って感じだったね。
インタビューの中で、フライデイズで働いていた過去や、J.コール、プシャ・Tとの楽曲制作の背景など、プライベートな話や、アーティスト本人の口からしか聞くことのできない貴重な話を語ってくれたコーデイ。
次のプロジェクトにも既に着手していると語っていることから次の作品にも期待がかかるが、まずはリリースされたばかりのデビュー・アルバムを、バックグラウンドを意識してもう一度聞き直すのも良いかもしれない。
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