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Dagenham Dream

Negro Swan (2018) : Track 11

Dagenham(ダゲナム)は彼の生まれ育ったイギリス・エセックスの街で、今曲は彼のバックグラウンドでもあるその街での思い出を語ります。
ゲイではないにも関わらず、個性的なファッションや、髪型、ネイルを身につけるなどをしていた彼は、ストリートの男達や同級生に喧嘩をふっかけられたり、虐められたりしていたようです。そんな彼の助けになっていたのは、スケートボードだったようです。
理解されない環境で、スケートボードとギターに彼が夢中になっていたことがわかります。
「他のやつと同じようにしなきゃいけなかった」と個性を消し、同調しなければいけなかった苦い経験が語られます。


[Verse: Devonté Hynes]
We received our bloody circles in the mail
俺たちはメールで危険な地域を伝えられてた

Only see what’s really important when it’s nailed
何かを成し遂げて初めて本当の重要さがわかるんだ

As a teen, my Lord and savior was a male
10代の時は、神や救世主は男だと思ってた

Tightened trucks and six steel strings that, keep me frail
タイトなトラックと、6スチールのギターのせいで勉強しなかったせいかな
 (トラックはスケートボードの部品。スケートとギターに没頭していたんですね)

It’s the worst I’ve ever felt, when it hailed
でも、その考えが褒められた時が、一番最悪だって思った時だね
(男性至上的な考えのことですね。hailは聖母マリアの英語名でもあります。先ほどの神の話とかけています)

Broken teeth and bloody nose but least it snowed
歯は折られて、鼻は血まみれに、まあ真っ白だったんだけど
(彼はゲイではありませんが、ネイルなど他の男子に比べ変わったことをしていました。そのことから虐められていた経験があります。真っ白というのはコカインを鼻から吸引していたことの比喩です)

Instantly dry, oh, I cried and cut a line
ネイルも速攻で乾かしてさ、涙を浮かべて列に割り込んだよ

In my eyebrow acted like the boys in town
眉毛もまるで街の男たちみたいにしてさ

Then my teacher told me that this, made her sad
それで先生が俺を見て言ってた、悲しんじまってたんだ
(殴られてボロボロになり、ネイルや眉毛を他の男子のように変えてきた彼を見て、先生は泣き出したと本人が語っています)

Had to act just like the others to get around
他のやつと同じようにしなきゃいかなかったんだ

Friday nights alone in Ilford with my board
俺はデッキとイルフォードで金曜の夜を過ごすんだ
(スケートボードの板のこと。イルフォードはロンドン北東部)

[Outro: Janet Mock]
Like, growing up I have always heard or like, I was always hyperaware of
育ってくうちに、俺はいつも色んなことに敏感になってた

The things that the people around me who were charged with my care
俺のことを気にかけてくれる人のこととか

Or told me, like, be silent or be quiet
静かにしろとかって言ってくるやつとかさ

Or be ashamed or hide
恥を知れとか、目立たないようにしろよとか言ってくることさ

Or perform a version of myself that wasn’t really me
本当の自分じゃない俺を演じてることとか考えすぎてさ

And so, I think that through my life I’ve always been hyperconscious and aware of not going into spaces and seeking too much attention
それだからさ、思うに俺は常に超不安だったんだ、上手く場に入れずに、みんなの視線を気にしすぎてた

Um, because part of survival is, like, being able to just fit in
ああ、これも生き残るためなんだろうな、って、流れに身を合わせて

To be seen as normal and to, like, quote-unquote belong
普通なやつだと思われてさ、まあいわゆる大衆って感じの

But I think that so often in society in order to belong means that we have to, like, shrink parts of ourselves
でも思うに、それって社会ではよくあることなんだ、馴染む手段としてさ。これって社会の縮図みたいだよな


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